＊マルコって意外と２ ページ7
「………」
うっすらと目を開けると、眩しい光が飛び込んできて
咄嗟に目を細めた。
「……？」
恐らくここは医務室だろう。
体をゆっくり起こし、そっとベッドから這い出てみる。
「あの、、、誰かいる？」
声をかけてみるが、返事はない。
ベッドそばの棚に、『痛かったら飲んでね』という書き置きとともに、薬と水が置かれていた。
ちょうど痛み始めていたので、それをのんでベッドから這い出した。
離れたところにある当直ナース用の机には、人がいた痕跡はあるが誰もいなかった。ちょうど休憩に入ってるのかもしれない。
くらっ
またフラついてしまう。
(……私、多分貧血で倒れたんだ。でもここまでどうやってー)
とりあえず、ナースを探してこようと
扉を開けるとー
「きゃあああああ！？？」
マ「！！？？？？？」
目の前に、一番隊隊長であるマルコが立っていた。どうも入るか入るまいか迷っていたらしい。
「な、なんだ、マルコか……」
マ「なんだとは何だよい……」
「ご、ごめん、、」
そこに、
ナ「あ！A目が覚めたのね！」
と早足で寄ってきたのはナースのうちの一人だ。
ーーーー
「うん、ついさっき。ありがとう。付き添ってくれてたんでしょう？」
ナ「どういたしまして！でも、お礼なら私じゃなくてマルコ隊長にね！」
「？」
ナ「倒れた貴方をここまで運んできたのはマルコ隊長よ。」
「そ、そうだったの？マルコ、ありがとう。」
そういう優しい面をあまり見たことがなく、むしろとっつきにくいくらいに思っていたので
これには純粋に驚く。
マ「い、いや……」
なぜか気まずそうなマルコに違和感を覚えた。
「？どうかしたの？」
マ「おめぇ……その、月のものなんだろ。これ、サッチに貰ってきたから食えよい。」
小さなお皿に被っていた布を取ると、ナッツやドライフルーツがたくさん入っていた。
「え……あ、ありがとう…」
マ「いや………」
ナ「…………」
ナースは微笑みながら二人の様子を見ていた。
マ「じゃあおれは戻る。何か欲しいものがあれば、ナースに言えよい。」
「あ、うん！
本当ありがとうー！」
すぐに遠ざかった背中にどれだけ届いたかは分からないが、もう一度お礼を言っておいた。
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作者名：米留 | 作成日時：2020年4月26日 16時
