＊マルコって意外と ページ6
その日、私は女の子の日で一日イライラしていた。勿論ナースがいるので、その辺りの相談もして、日常に支障をきたさない程度にはなっているが
痛みは抑えられても、イライラは中々治らない。それに、その日は格別頭痛も強く、気持ち悪かった。
「だから、そこはこうだってば！」
後輩もとい、海賊見習いの少年たちがモタモタ作業するのを見ているとついつい口出してしまう。体調が悪いならなおさらだ。
マ「うまくいってるかい？」
少年「あ、マルコさん！！」
マルコが来た途端、彼らの顔が輝く。
「マルコ……」
敬称は不要だよい、と以前言われ、私は以降呼び捨てにしている。
周りも特になんとも思っていないようだ。
「この子ら、戦いは大好きだけど事務的なこと覚えないのよ…」
ため息混じりにぼやいてみる。
マ「俺も昔はそうだったからなァ、てめぇら将来有望だよい。」
少年たちは顔をキラキラ輝かせる。
マ「あぁ、でもここが甘いな…もう少し右に引っ張ると、固定されてバランスが良いんだよい。やってみろ。」
「「「はい！」」」
やけに素直な彼らに、むぅ…とAはむくれる。
二人で並んで彼らを眺めた。
マ「お前、この子らって言うがー
年はそんなに変わんねぇだろうが」
「私はもうすぐ19です。マルコから見たら同じかもしれないけど、私の方が、お・と・な！なの！」
マ「へいへい、わかったよい」
「何よ〜！」
マ「それよりお前、体調悪いんじゃねえのか？」
「え？」
マ「いや、イライラしてるし顔色悪いから……早めに上がって休んどけよい、あとはおれの隊のやつにやらせるから」
「……でも」
せっかく貰った仕事を途中で投げ出したくない。が、厚意に甘えたい気持ちが強かった。
「…じゃぁお願いしても良い？」
マ「おぅ。」
ありがとう、と言って身を翻した矢先ー
私は目の前が真っ暗になった。
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作者名：米留 | 作成日時：2020年4月26日 16時
