検索窓
今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:6,206 hit

*ある日の宴 ページ12

「イゾウって…綺麗な顔してるね…」


心から感心したように、ほぅ…と息をつくA。

イ「あ?」

何を言いだすんだ、と思ったがAの周りに散らかった空の酒ビンを見て合点がいった。

イ(……飲みすぎたのか)


今は夜も更けて、また盛大な宴が催されていた。特段変わったこともないのだが、まぁそれは海賊スタイル、ということか。







頰全体を薄い桃色で染め、アルコールのせいか呼吸が苦しそうだ。火照った体を惜しげも無く晒し、目を潤ませるA。



イ(ふぅん、悪くねぇな。アイツもいねえし……ちっとからかってみるか。)

くいっ、と自分も盃に残った酒を煽る。



アイツ、とは勿論パイナップル頭の一番隊隊長、マルコのことである。



イ「おれの顔が気になるなら、もっと近くで見てみるか?」


直ぐそばまで寄っていたAの顎を掴み、自分に向けさせた。片方の口角を釣り上げたイゾウの表情にどきりとする。


「ぇ………?」

その端正な顔に吸い寄せられるように、Aの唇がイゾウと触れ合いそうになった。



周りの隊員も気づいてはいるが、隊長格に口出せるのは同じ隊長の古株か、オヤジくらいのもので。

皆、気づかぬふりをしていたが、内心

マルコと一触即発の戦闘にならないか、ヒヤヒヤする者

ただただ羨ましがる者

などなど様々だが、皆ただ傍観していた。


と、そこへ



ーーー

ーーー





マ「…飲み過ぎだよい、A」

「あ、マルコだー!えへへへへ」

ぱっと振り向き笑顔を向ける。

イゾウは内心舌打ちした。



マ「何がそんなに面白いんだよい…」

小さく溜息をついて、Aの隣にしやがむ。ついでに肩を抱いて自分のほうへ寄せた。




マ「イゾウ、てめぇ…」

軽く殺気立ったマルコを、イゾウは軽くいなす。


イ「なんだよ。Aを放っといたのはマルコだろ。」


「マルコ、改めて見ると…」

マ「あ?」

「変な頭ー!!!」


ケラケラ笑われて、少々不愉快に感じる。


マ「お前なぁ……そいつに惚れてるのはどこのどいつだぃ?」


「え、」


瞬く間に唇を奪われる。

「マルコぉ!人がいるとこではしないって、やくそく…………んっ………」


マ「他の野郎に隙見せんじゃねえって約束、先に破ったのはおめえだよい!」

案外あっさり離してくれた。

*ある日の宴2→←*感情と欲望の狭間で6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
設定タグ:ワンピース , マルコ , エース
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:米留 | 作成日時:2020年4月26日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。