＊感情と欲望の狭間で ページ1
エ「お。 おはようマルコ」
Aの向かい側で朝食をがっつくエースは、Aの隣に座ったマルコに挨拶した。
マ「おぅ。」
Aはついさっきまで裸で抱き合っていたことが不思議で、ぼんやりマルコを見つめてしまった。
頬杖をつきながら、マルコも見つめ返す。
エ「………？何やってんだお前ら」
「え！いや、べつに！」
我に返ってAもフォークを手に取り、朝食のバゲットにスモークサーモンを乗せた。
エ「ふーん？てかお前、首どうした？虫にでもやられたか？」
「え………べつに痒くないけど」
マ「………」
マルコがコホン、と空咳する。
(……？ ……………！！！！)
マ「エース、てめぇ今日の午前は掃除当番だろ、さっさとしろ」
エ「あ？わーったよ」
一気にかきこんで、じゃーな！とエースは席を立った。
Aは無言で首を抑え、マルコを睨みつけた。
「…見えないとこに、って言ったのに……」
マ「わ、悪かったよい…… 」
スプーンの裏で首元を写すとだいぶ上にキスマークがあるのに気づいた。
「服着替えてこなきゃじゃん……！」
マ「いや……」
ふいにマルコが手を伸ばし、Aの髪を片手で掬い上げた。
「お前、今日は髪上げてろ」
「はぁ！？？？？？？？？」
Aの声が広い食堂に響き渡り、船員がなんだなんだ、とこちらを見てくる。
「そんなことできるわけないでしょ！」
頬を膨らませながら息まいて食堂を出て行くAを、マルコは黙って見送る。
マ「…………」
サ「よぉマルコ〜〜おめぇも手が早えなあ？」
船「隊長まさか………」
船「嘘だろ……俺らのアイドルがぁあああああああああ！！！？？！」
マ「うるせぇよい……」
朝は静かに過ごしたいタイプのマルコは、いつもは早めに食事をとりにくる。
今日は諸事情で遅くなってしまった。だから勘の良いやつらには、当然絡まれる。
サ「お前ちゃんと優しくしたのかよ？Aフラフラだったじゃねぇか」
マ「………」
マルコは昨晩のことを思い出す。
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作者名：米留 | 作成日時：2020年4月26日 16時
