8話 ページ13
目が覚めると、シスコの腕の中だった。
あったかい。
ずっとこのこのままでいたい。
シスコがゆっくりと瞼を上げる。
俺はそれに魅入っていた。
シスコの青みがかった黒い綺麗な瞳が俺を捉える。
「・・・おはよ」
シスコは少し照れくさそうに笑って、はよ。と返してくれた。
俺はそんなシスコがどうしようもなく愛しくなって、そっと背中に手を回した。
シスコも少しだけ強く抱きしめてくれる。
「・・・好きだ」
その言葉は、意外にすんなりと俺の唇を通り抜けた。
普通、いろいろ迷うもんじゃねぇのか。
同性だからとか、兄弟だからとかで。
シスコは大きく目を見開き、時間差で頬をゆっくりと赤く染めていく。
期待して・・・いいのか?
「・・・俺も」
シスコは小さな声で、でも俺にははっきり聴こえる声で、言ってくれた。
すごく、嬉しかった。
勝手に目から涙が溢れてくる。
「お、おい。大丈夫か?」
シスコが慌てて、俺の涙を細い指で拭ってくれる。
この時間がとても幸せで、
俺の汚れた過去も、
汚れた俺も、
キレイになった気がしていたんだ。
俺は今でも、
一生、
汚いままなのに。
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
龍牙 - 銀龍さん» 遅れてすいません・・・ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年8月3日 18時) (レス) id: 1df1f4fa1e (このIDを非表示/違反報告)
銀龍(プロフ) - 更新頑張って下さい!前の小説も読んでいました。 (2017年8月2日 19時) (レス) id: 970963609c (このIDを非表示/違反報告)
龍牙 - 雨飴さん» コメントありがとうございます!!そうなんですよ・・・まあフラグチェッカーに引っ掛かるような話を書いた私の自業自得です。ご迷惑掛けて申し訳ない。頑張ります!! (2017年8月1日 18時) (レス) id: 1df1f4fa1e (このIDを非表示/違反報告)
雨飴(プロフ) - 新しいの作ってくださりありがとうございます! フラグ立っちゃったんですね...急に検索結果から消えたのでびっくりしてたんですよ。 これからも頑張ってください! (2017年8月1日 17時) (レス) id: 91eb9af7ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:龍牙 | 作成日時:2017年8月1日 16時