守るべきもの ページ30
え、と目を見開く。
ただの昔話をしているのかと思ったのに、
突然兄さんの話になったから。
私が動揺を隠せずにいると
雅貴さんは私を強く抱き寄せて、頭を撫で始めた。
雅「兄貴は妹を守るもんだって、
そいつ口癖みたいに言ってた。
それはどの家庭でも変わらない、絶対なんだって」
キュッと眉間に皺を寄せる。
貴「…きっと、そうじゃない家庭もありますよ。
私がお姉さんだったら、妹や弟を大事に出来る自身ありませんし」
雅「それはそうだろうな。
でもそいつの中では、妹を大事に出来ない兄貴は理解できなかったらしい」
雅貴さんの言いたいことが何となく理解できて、
私は服を握る力を少しだけ強くした。
私の頭を撫で続けたまま、そっと囁いてくれる。
雅「俺もそいつに毒されたんだろうな。
Aが言うように、Aを恨んでるかもしれないっていう兄貴が理解出来ない。
だからお前も、もう少し力抜いて、好きなようにやってみてもいいと思う」
俺はそいつの考えを信じる、と。
ただただ惰性のように弓を引き続けてきた私にとっては、
救いのような言葉だった。
兄さんのためだけに弓を引く。
それ以上も以下もなく、弓引きとして生き続ける。
そんな現状に限界が来ていたことに気付かなかった私は
今、ようやくそれを理解して。
これからどうするのか、
弓を引き続けるのか。
それをきちんと考える時間が必要だなと思いながら
静かに雅貴さんに泣き縋った。
その後見た夢では、何もなかった。
ただ、体は軽かった。
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帝 - 27ページに過呼吸とありますが、過呼吸と言うのは呼吸のしすぎで、呼吸不足とは違います。こんなコメントからでごめんなさい。とても面白いです！ (2019年6月28日 21時) (
レス) id: 3e076c2094 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - ミコトさん» お気に入りと言って頂けてとても嬉しいです！！更新出来ない日が多々ですが、気長に待って頂けると嬉しいです(*´∀｀) (2019年3月8日 23時) (レス) id: bea7ebdcd5 (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - 読んでいてドキドキします！お気に入りの話です!!続き、楽しみにしてます！頑張ってください^ - ^ (2019年2月26日 23時) (レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 美冬さん» コメントありがとうございます！いやいや、ハマったと言って頂けるだけて嬉しいですよ(*´`*)更新ペースは遅いですが、応援を糧に頑張りたいと思います♪ (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf512996a (このIDを非表示/違反報告)
美冬 - とても面白いです！最近ハマったばかりのにわかですが、楽しく読ませてもらっています！これからも頑張ってください！ (2019年1月18日 21時) (レス) id: efbc55a2af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/itikara1141/
作成日時：2019年1月16日 0時
