苦し気な息（雅貴side） ページ26
洗濯を終え、リビングに戻ると
部屋はやけに静かだった。
寝てしまったのかと思い、ベッドを見やる。
眠っているのは間違っていなかったものの、
ベッドの上で丸くなり、腕に強く爪を立てている姿を見れば駆け寄らずにはいられなかった。
雅「A、A！」
名前を呼んでも反応しない。
それどころか、腕に食い込む手の力は強くなっていく一方だった。
呼吸も上手くできていないようで、
時折ひゅっ、ひゅっ、という音が喉元から漏れていた。
何処か痛むのだろうか。
それとも悪夢でも見ているのだろうか。
こういう時はどうするべきだったかを思い出していると、
Aは苦しそうな声で、「にいさん、」と言った。
それを合図にか、大きく咽たAは虚ろながらにも目を開けた。
貴「っげほ、はっ、」
雅「A、ゆっくりでいいから息しろ」
過呼吸になり兼ねない状況だったので、
まずはちゃんと呼吸させることに専念した。
不規則な呼吸に、
「ゆっくりでいい、ゆっくりでいいからな」と背中を撫でてやる。
しばらくすると安定してきたらしい呼吸と思考を持って、
Aはか細く「まさきさん」と言った。
背中を撫で続けながら、
柔らかく微笑んで耳を傾ける。
貴「くるしかった、から、」
雅「ああ」
貴「痛かった、から、」
ありがとうございます、と絶え絶えに言うAに
空いている手でそっと頭を撫でてやった。
雅「Aが落ち着いたなら大丈夫だ。
ああでも、安定したからって無理にいつも通りの呼吸に戻そうとするなよ」
小さく頷いたAは、またゆっくり呼吸を始める。
弱々しいその姿に顔を顰めながら
さっき漏らしていた「痛かったから」という言葉を思い出し、
救急箱を取りに行って消毒液や絆創膏など必用なものを漁った。
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帝 - 27ページに過呼吸とありますが、過呼吸と言うのは呼吸のしすぎで、呼吸不足とは違います。こんなコメントからでごめんなさい。とても面白いです！ (2019年6月28日 21時) (
レス) id: 3e076c2094 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - ミコトさん» お気に入りと言って頂けてとても嬉しいです！！更新出来ない日が多々ですが、気長に待って頂けると嬉しいです(*´∀｀) (2019年3月8日 23時) (レス) id: bea7ebdcd5 (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - 読んでいてドキドキします！お気に入りの話です!!続き、楽しみにしてます！頑張ってください^ - ^ (2019年2月26日 23時) (レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 美冬さん» コメントありがとうございます！いやいや、ハマったと言って頂けるだけて嬉しいですよ(*´`*)更新ペースは遅いですが、応援を糧に頑張りたいと思います♪ (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf512996a (このIDを非表示/違反報告)
美冬 - とても面白いです！最近ハマったばかりのにわかですが、楽しく読ませてもらっています！これからも頑張ってください！ (2019年1月18日 21時) (レス) id: efbc55a2af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/itikara1141/
作成日時：2019年1月16日 0時
