time ７８ ページ28
凛久『ねぇねぇ、凪沙ちゃん』
＿＿轟はゆっくり目を開けた。
そこはさっきまで居た部屋とは違い、
少し懐かしさを覚える学校の教室だった。
そっと声のした方を振り返ると
凛久と呼ばれていた人間が誰かに声をかけていた。
凛久『あれ、無視？
酷いなぁ、せっかく助けてあげようと思ってたのに』
凛久は誰かに話しかけていたようだった。
その相手は、女の子だった。
切り揃えられていない髪と、光のない瞳。
ゆっくり顔を上げた女の子は、驚くほど綺麗だった。
そして、傷だらけだった。
轟「＿＿＿A？」
そうだよ、と。
隣から聞き慣れた声が聞こえた。
そこには凛久と凛香がいて、
「ここはAの過去なのか」と直感した。
凛香「いやぁ、若いね俺。
こん時まだ高３だったからなぁ」
轟「…Aに話しかけてるのは、お前か？」
凛香「せっかく人が助けてあげようとしたのにさ。
あしらわれちゃった」
咄嗟にAを見やる。
何も映さない瞳で、Aは言った。
A『結構です』
凛久『あれ、いいの？
せっかく虐めから解放させてあげようとしてるのに？』
A『私はそんなことお願いしてません』
凛久『でもいいの？
そんな傷まで作っちゃってさぁ。
昨日、校舎裏で見たよ。
凪沙ちゃんが殴られてる所』
茶化すように続ける凛久。
けれど、Aは表情一つ変えなかった。
凛久『俺けっこうモテるからさぁ。
女の子たちにお願いして、虐めをやめさせることもできるよ？』
凛久「こん時の凪沙には、度肝を抜かれたというかさ。
まさかあんな返事が返ってくるとは思わなかったよ」
”今”の凛久が自嘲気味に呟く。
へらへらと笑っている凛久に対し
Aは言った。
A『偽善者に興味はありません』
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藍(プロフ) - 鈴音さん» 応援ありがとうございます！公開翌日の早朝に行ったので、なんとかGETできました；； 行きたくても行けないのが1番辛いですよね...映画のお話は単行本として出てるみたいですが、限定漫画を手に入れられなかったのは痛手でしたね... (2018年8月27日 15時) (
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作者名：藍 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/itikara1141/
作成日時：2018年7月27日 23時
