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さっきまでテレビで聴いていたはずの音楽が聞こえてきて、そっと目を開けた。
足を動かすと何かに当たった。
びくっとして飛び起きると、同じようにびくっと私を見る人1名。
「 ……なんでいるのグク。 」
「 え、なんでいちゃいけないの。 」
「 当分来れないって言ってなかったっけ。 」
「 言ったよ。カムバ中だもん。 」
「 オッパたち許してくれたの? 」
「 許してくれるどころか、行っていい?って聞いたら行け!って怒られた。 」
……なぜ怒る?
「 理由なしに悲しくなる日ってあるじゃん。誰かに会いたくなったり、何でもいいから話したかったり。 」
急に喋りだしたかと思えば
さっき私が思っていたことをそのまま口にするグク。
「 今日はお互いそんな日みたい。 」
お互い……?
反応に困っていると、グクにひょいっと抱えられベッドに強制連行された。
「 相変わらず軽いんだけど。ちゃんと食べてる? 」
「 朝はクッキー、昼はジュース、夜はアイス。 」
「 バカじゃないの? 」
もうすぐ日付が変わるのを知ると、今から食べるわけにもなぁなんてごにょごにょ呟かれた。
電気を消して、2人で1つの毛布にくるまった。
「 寂しかった? 」
「 なんで? 」
「 Aがスタンプ一個の時は大抵そう。
あ、あとご飯ちゃんと食べなくなるのは何か抱えてる時。そうだよね? 」
「 …よくお分かりで。 」
「 将来の夢はA専門家。 」
「 はいはい。…ねぇグク。 」
「 ん? 」
「 私、なんだか辛いんだ。 」
ぽつん、と吐き出された言葉が宙を舞う。
「 A、0時になったよ。 」
「 うん? 」
「 何か、変わると思う? 」
「 ……いや、 」
「 だよねぇ。あーあ、俺が魔法使いだったらいいのに。 」
くす、と笑ったグクは寝返りを打って私を抱きしめた。
「 明日はもっと、Aが笑えますように。 」
大丈夫、俺はここにいるよ。
宙を舞っていた言葉が、グクに受け止めてもらえた気がした。
もう私は、1人じゃない。
「 ありがとう。 」
「 こちらこそ、いつもありがとう。 」
グクは立派な、魔法使いだよ。
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Epilogue→←JUNGKOOK:温かさがほしい日に読む話
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Rala(プロフ) - アネ島さん» アネ島さん、コメントありがとうございます。そう言ってもらえると、私の方こそ心がぽかぽかします。言葉って不思議ですね(*^^*)読んでくださり、ありがとうございました!*。 (2020年4月26日 17時) (レス) id: 17c5136509 (このIDを非表示/違反報告)
アネ島(プロフ) - とても綺麗で優しいお話ですね。読んだ後こころがぽかぽかしました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月25日 11時) (レス) id: 460c8f9543 (このIDを非表示/違反報告)
Rala(プロフ) - ちむたんさん» ちむたんさん、Hamonyでもこちらでも、たくさんの応援をありがとうございました。このお話はいつもここにいます、何かあればいつでも覗きに来てくださいね。いつも本当に、ありがとうございました*。 (2020年3月19日 23時) (レス) id: 17c5136509 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたん - 完結おめでとうございます!今日はグクに癒されました…///この作品は完結してしまいましたが、疲れたとき、つらいときはこの作品を見て癒されようと思います。Ralaさん今日までお疲れ様でした。また、もどってきてくれる日を待ってます! (2020年3月19日 2時) (レス) id: eb6521bf0d (このIDを非表示/違反報告)
Rala(プロフ) - ちむたんさん» ちむたんさん!ありがとうございます!そう言っていただけると、こちらも癒されます(笑)毎日読んでくださり、ありがとうございました*。 (2020年3月19日 0時) (レス) id: 17c5136509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rala | 作成日時:2020年3月13日 0時