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懐かしい記憶が蘇ってきて、またじわりと視界が滲んだとき。
そっと隣に誰かが座った。
「 …テヒョンア。 」
「 ん。 」
差し出されたテヒョンの手には、私と同じホットココアがあった。
「 これ…。 」
私も同じようにホットココアを差し出した。
「 好きだね、ココア。 」
そういうテヒョンは明らかに怒ってる……っていうか、拗ねてる。
「 テヒョンもね。 」
合わせてぶっきらぼうに言ってみれば、
むっとした顔でこっちを向いた。
「 …怖かった。 」
「 なにが? 」
「 Aが俺から離れてくんじゃないかって。 」
だから、
「 嫉妬させたかったの。ごめん。 」
……そういうことか。
「 私、離れるつもりないよ。 」
そう言うと、でもさ、と続く。
「 最近隣の席の奴と楽しそうに話してるし。
帰ってきてもお互いやることあってなかなかゆっくり話せないし。 」
たしかに最近の私たちはちょっぴり遠くなってたかもしれない。
寂しかったんだ、テヒョン。
「 …ごめんね? 」
そう言うと首をブンブンと振って、またちょっとうなだれた。
「 なんか彼氏と彼女の立場、逆転してるよね。 」
俺、全然カッコよくない。
そううなだれてるテヒョンに、いつも思っていることを呟いた。
「 でもそんなテヒョンが、好きなんだと思う。 」
その一言でぱっと私を見て、ほんと?って顔を輝かせる。
この人本当に社会人かしら(笑)
星空を撮ろうとつけたスマホに表示されたAM00:00の文字。
貸して、と言われて手を離れたスマホに、テヒョンと私のツーショットが残った。
「 ヤーテヒョンア…。 」
「 ねぇ、星空色ってどういう色なんだろ。 」
「 ……星空色? 」
「 名前だけ聞いたら綺麗そうだけど、表現しにくそうじゃない? 」
この不思議さに、結局今日も吸い込まれていた。
「 夏の大三角、見つけよっか。 」
「 ハジマ、それ俺の一生分の恥ずかしい思い出(笑) 」
いひひ、と笑って私を見る。
やっぱり今日も、あなたが好きだ。
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Rala(プロフ) - アネ島さん» アネ島さん、コメントありがとうございます。そう言ってもらえると、私の方こそ心がぽかぽかします。言葉って不思議ですね(*^^*)読んでくださり、ありがとうございました!*。 (2020年4月26日 17時) (レス) id: 17c5136509 (このIDを非表示/違反報告)
アネ島(プロフ) - とても綺麗で優しいお話ですね。読んだ後こころがぽかぽかしました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月25日 11時) (レス) id: 460c8f9543 (このIDを非表示/違反報告)
Rala(プロフ) - ちむたんさん» ちむたんさん、Hamonyでもこちらでも、たくさんの応援をありがとうございました。このお話はいつもここにいます、何かあればいつでも覗きに来てくださいね。いつも本当に、ありがとうございました*。 (2020年3月19日 23時) (レス) id: 17c5136509 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたん - 完結おめでとうございます!今日はグクに癒されました…///この作品は完結してしまいましたが、疲れたとき、つらいときはこの作品を見て癒されようと思います。Ralaさん今日までお疲れ様でした。また、もどってきてくれる日を待ってます! (2020年3月19日 2時) (レス) id: eb6521bf0d (このIDを非表示/違反報告)
Rala(プロフ) - ちむたんさん» ちむたんさん!ありがとうございます!そう言っていただけると、こちらも癒されます(笑)毎日読んでくださり、ありがとうございました*。 (2020年3月19日 0時) (レス) id: 17c5136509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rala | 作成日時:2020年3月13日 0時