第916話 時間のスピード。【CM Side】 ページ16
【CM Side】
[]は韓国語↓
Aの家にいつも通り泊まる。
今日はAも朝からお仕事だし
僕はライヴの打ち合わせの前に
一旦５人の家に向かうから一緒に出発。
そんな些細な事が
すごく幸せに感じるのに…
CM「……」
朝陽で顔をしかめた僕。
その中に立つAが
何故か消えてしまいそうに感じて
僕は咄嗟に抱きしめた。
"待ってる"
本当はもっともっと
伝えたいことがあった。
でも、それしか言えなかった。
"無理しないでいつでも連絡しておいで"
"ツラかったら飛んでいくよ"
君が呼べば、僕は行くよ。
君が泣けば、僕は行くよ…
今度は僕が待つ番。
勝手で頑固な僕を待ってくれたように
僕はただAを信じて待つ…待ちたい。
それが何日、何ヵ月、何年…
何十年かかるとしても。
CM「……」
…いや、何十年は言い過ぎたかな？笑
だって僕は短気だから。
CM「…好き。」
A「チャミ…」
CM「A、愛してます。」
A「私も、愛してるよ…」
僕はすぐ愛しくなるのがわかってるから
Aの香りを胸いっぱいに吸い込んで
抱きしめた感触を刻み付けるように
回した腕に、ただ、力を込めた。
｜
｜
｜
そんな甘い光景を思い出しながら
もう胸を切なくさせている。
CM「……はぁ…」
時計を見て、ついため息。
Aと別れてから
長い針が半周しかしてない。
あと何回、時計とにらめっこするかな…
そう思いながらポケットから
キーケースを取り出し部屋の鍵を開けた。
CM[ただいまー…]
JJ[あ、チャンミン。おかえりー！]
キッチンからマグカップと携帯を片手に
ソファに向かう途中のジェジュンヒョンが
嬉しそうに僕に笑いかけた。
JJ[なんか、久しぶりだねー(笑)]
CM[……]
…そう言われるとなんだか
久しぶりな気もする…
たった２日会ってないだけなのに。
ヒョン達と会わない２日間は
あっと言う間に過ぎるのに
Aと会わない30分は
こんなに過ぎるのが遅いのか…
CM[はぁ〜〜…]
僕はどうしようもない時間のスピードに
またため息をついた。
JJ[どうしたの？笑 コーヒー飲む？]
「飲む」と頷く僕に
コーヒーを淹れてくれるヒョン。
なんか…機嫌いい…？
でもその理由を聞く気にもなれずに
僕はソファに座ったままうなだれていた。
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月27日 1時
