第902話 冗談。【CM Side】 ページ2
【CM Side】
お父さんを追いかけた僕は
まだ"貸切中"の札があるのを確認すると
走ってきた勢いのまま
"ガラッ！"と脱衣所に入った。
そこにはズボンを脱ぎながら
"ビクッ"として僕を見るお父さん。
CM「あ…(笑)」
父「……(汗)」
CM「僕ーもー、一緒に入っていいですか？」
｜
｜
｜
いつかのように２人並んで
露天風呂に浸かる。
前は少し離れてた距離も
今日はぴったり隣。
CM「…お父さん。」
父「……」
CM「ごめんなさい。」
父「…何がだ？」
口下手な僕達は前を見ながら
ポツポツ呟くように話す。
CM「僕ー…前に、頑固だって言いました。」
父「……」
CM「やっぱりー、僕、頑固ー…ですよね？」
父「…ふ(笑)」
小さく笑うお父さん。
僕もつられて笑った。
CM「(笑) 前ーに来たとっきもー、言いましたーけどぉ」
父「……」
CM「今日、もしーお父さんが反対してもー、僕はAを連れ去りましたよ。」
父「…また、"半分冗談"か？」
懐かしそうに笑う姿を
僕は真剣に見つめた。
CM「…全部ー、冗談です。」
父「……」
CM「お父さんがー、反対するならぁー、わっかってくれるまで話すつもりでした。」
父「……」
CM「結婚ーってー、僕達、ふったりーだけの事じゃないしー、だから家族のこっとも知ってほしいしー知りたいって思います…できれば僕のメンバーのこっとも。」
僕のメンバーも僕の家族同様。
僕の大事な人達を
お父さんにも知って欲しい。
そして僕の家族にもメンバーにも
お父さん達の事を知って欲しい…
父「…そうだな。」
CM「だけどー、やっぱりまずは、僕達の気持ちが大切ーだしー、僕がどれくらいAーをー愛してるかって事を知って欲しかったからー、今日は、それだけわかって欲しくてー、来ました。」
父「……」
僕はお父さんの前に向き合い
お父さんの目をまっすぐ見つめた。
お父さんも僕を見つめる。
CM「僕、たくさん理屈っぽいことやー、失礼なこっとを言いましたーけどー…本当にAを愛してます。」
父「……」
CM「Aを育ててくれた、お父さんお母さん、お姉さんもー…あぁー…愛してますしー、愛していきたいです。」
父「……」
CM「だから、お父さんが反対するならー、僕、Aを韓国ーには連れて行きません。」
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月27日 1時
