第878話 いない。 ページ18
ふと目を覚ました私。
眠たい目を擦り、暗闇に目を凝らして
自分の隣を見るとチャンミンの姿がない。
A「……？」
どこに行っちゃったの？
何も着ていない私。
寒さを感じて自分で体をぎゅっとすると
さっきまでチャンミンが優しく
抱きしめていたぬくもりを思い出す。
なのに…今はいない。
私の頭の中でイヴの日の記憶が
頭を巡っていく…
A「行かないで…」
私はベッドを抜け出すと
咄嗟にブランケットを羽織って
リビングに向かった。
｜
｜
―――― ガチャッ！
勢いよく飛び出した私に
ソファに座っていたチャンミンが
驚いたような顔で振り向く。
A「……」
CM「A？」
A「…チャミ…」
ちゃんといた…
…よかった。
A「……」
チャンミンを見たまま
その場で固まってしまった私。
チャンミンは私の元へ近寄り
正面から肩を押さえると
心配そうに私の顔を覗いた。
CM「どうしたの？なんかあった？」
A「……？」
CM「もっしかして…寝ぼけてる？笑」
A「え…？」
「ちゃんと服着てください」と笑い
私を寝室に連れていく。
そしてベッドに座らせると
私の下着や部屋着を拾い
ぼーっとしてる私の前に
跪いて服を着せ始める。
CM「どうしたんでっすか？怖い夢でも見ましたか？」
A「…ううん。」
CM「？」
A「起きたら…チャミがいなかったから…」
服を着せるのをやめて
私の顔をじっと見つめるチャンミン。
CM「……」
A「イヴの時みたいに…またいなくなっちゃうんじゃないかって…(泣)」
過ぎた事を思い出して泣くなんて…
こんなだからいつまで経っても
"泣き虫さん"って言われちゃうんだ。
もっと強くなりたいのに…
チャンミンは顔を押さえて泣く私に
部屋着を掃かせながら足の傷を撫でた。
そしてその傷にキスをする。
A「うっ…(泣)」
私を抱いてる時…
チャンミンは私の身体中に
何度もキスをした。
首にも胸にもお腹にも背中にも足にも…
そしてチャンミンにさえ隠したがった
首の傷や足の傷にも…
傷についての話に触れてこなかったのに
たくさん触ってキスをしてくれた。
それが、ただ嬉しかったのに…
私はチャンミンにその気持ちさえ
ちゃんと伝えられずにいた。
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月26日 21時
