第854話 言わなきゃ。 ページ14
泣いている私の肩を抱き
ソファに座らせる。
チャンミンは自分の肩に
私をもたれかけさせながら
優しく髪を撫でていてくれた。
…今日もやっぱり、甘い香り。
香水の香りではなく
私にとってはチャンミンの香り。
このままずっと感じていたいな…
CM「A。」
A「……」
チャンミンは私を自分に向き合わせると
両手をしっかり握ってくれた。
そして少し緊張したような
真剣な顔をしてじっと私を見つめた。
CM「僕達…ちゃんっと、話をしないといけません。」
A「……」
頷く私を見てチャンミンは
「はぁー」と大きく息を吐いた。
握った手に力が入るから
私にまでドキドキが伝わる。
CM「…ぼっくーはぁ…あぁー…」
A「……」
CM「本当にぃ、ワガママーだと思います。」
A「……」
CM「たっくさんAを振り回したりぃ、"会わない"って言ったのにぃ、イヴに会いに行ったりぃ…とにかく、僕ーは毎日ー、Aに会いたくて仕方がなかったんです。」
A「…うん…」
CM「前にも言ったーっけどぉー…僕は不器用だっから、一度にたっくさんの事を考えられないしぃ……あぁー…頭が"わぁー！！"ってなってるーのにぃ、上手く振る舞えたりしないです。」
A「…うん…」
CM「そんな僕だっからぁ、Aのこと好きだっけどぉ、一緒にいると傷ーつっけちゃうと思ってぇ、会わないって言いました。」
A「……」
CM「だけどもう、僕は大丈夫です。」
A「…チャミ…」
CM「僕は、Aとぉ、生きるー…準備ができました。」
チャンミンははにかんで
じっと私を見て微笑んでいる。
A「……」
…言わなきゃ。
言わなきゃ、今。
この笑顔をずっと失わないために…
A「…チャミ。」
CM「ん？」
A「私……私は…」
CM「…A？」
A「……」
俯く私の手は震えてしまう。
だけどチャンミンはしっかりと握り
優しく、ただ髪を撫でてくれる。
私は顔をあげて
チャンミンの目をしっかり見つめた。
A「……」
CM「…？」
A「私は、まだ、チャミと一緒にいれない。」
CM「……」
A「まだ、一緒にいちゃいけない…」
CM「…どうしてですか？」
A「ごめんなさい…」
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月26日 17時
