Begin...【changmin】第７章-Part５- (ページ20)

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第840話少しずつ。ページ20

寝室の床に敷かれた布団で
気持ち良さそうに眠るジュンスと

iPodをつけたまま
横になってるユチョン。

私は今日倒れた時にたくさん寝たせいか
なんだか眠れなくてベッドを抜け出し
リビングへと向かった。

ブランケットにくるまり
深夜にテレビでやってる通販番組を
なんとなく眺めている。

だけど頭の中ではユチョンの言葉と
チャンミンの笑顔がぐるぐる回っていた。

毎日忙しく過ごしていたせいか
私は気がつけば傷の事を気にする時間も
あまりなくなってるような気がする。

仕事着の制服も規定通り
お団子をすれば見えてしまう傷も
気にならない。

それだけ仕事に
没頭してるって事かもしれないけど

こうゆう誰かに会ったり
普段着になったりすると

やっぱりタートルネックのセーターや
自然と傷が隠れるような
服を選んでる自分がいる。

A「……」

"早くチャンミンと幸せになって"

それでもあの事件から、あの旅行から
ここまで立ち直る事ができたのは
前に進んでるって事なのかもしれない。

…ユチョン。
チャンミンと幸せになるには
まだ少し時間がかかっちゃうよ。

だってこの傷をチャンミンが見て
また無理して笑ったら

私もまた振り出しに戻って
落ち込んでしまうかもしれないから…

だから、なんだか
チャンミンに会うのが怖いよ。

こんな私に愛してるって
言ってくれたのに、ごめんね…

｜
｜

―――― ガチャッ

急に寝室のドアが開いて
私は咄嗟に溢れ落ちそうな涙を拭いた。

YC「A…？」

A「あ、ユチョン…ごめんね？起こしちゃった？」

そう言いながらテレビを消す。

YC「ううん…なんかぁ、喉が渇いちゃって…ジュンスのカレーのせいかも。」

「何か飲んでいい？」と
冷蔵庫を指差すユチョンに
「どうぞ」と笑顔を向ける。

冷蔵庫からミネラルウォーターを
グラスに入れ一気に飲み干すと
「Aも何か飲む？」と聞くユチョン。

A「んー…じゃあ飲もうかな。」

YC「…眠れないの？」

A「うん…たくさん寝たから(笑)」

YC「でもぉ、ちゃんと寝なきゃ。ホットミルクー作ってあげるから。」

A「あ、ありがと…」

"ホットミルク"の名前だけで
あの旅行の時にチャンミンが作ってくれた
あの甘い味を思い出す。

私はミルクを温めるユチョンの背中を
胸を切なくさせながら見つめていた。