第819話 いちゃだめ？ ページ19
しばらくそのまま
ユチョンに抱きしめられていた私。
だけど頭にチャンミンの顔が浮かんでいて
この状況はまずいと思った私は
ユチョンの肩をポンポンと叩いた。
A「ユチョーン…？汗」
YC「あ、ごめん」
パッと私を離すユチョン。
気まずそうに自分の首の辺りに
手を当ててる。
私は少し照れたようなその顔に
"大丈夫"と言うように
ニコッと笑って見せる。
YC「ふ(笑)」
A「…なに？」
YC「やっぱり、笑顔…へたくそ(笑)」
A「……(笑)」
また作り笑顔をバカにされた私は
何度もニコッと笑って見せる。
するとユチョンは
そんな私の仕草を見て優しく微笑んだ。
YC「無理して笑わなくていいよ。」
A「……」
ユチョンの言葉に
思わずハッとしてしまう私。
A「……」
YC「……(^^)」
「逃げるな」「頑張れ」「泣くな」
そう自分に言い聞かせてきた私に
やっぱりユチョンはやさしい。
「無理しなくていい」
このたった一言。
この言葉は、今自分にできることを
がむしゃらにやってきた私の心を
氷を溶かすように包んでいった。
メソメソ泣き出した私の頭を
ユチョンはポンポン、と撫でる。
そして私の目線の高さにかがみこみ
優しく微笑んだ。
YC「俺ーがー…いちゃだめ？」
A「……(泣)」
YC「Aが、"ユチョンはダメ"って言ったから…」
A「ご、ごめん…(泣)」
YC「Aがダメって言うならぁー、俺、帰る。」
A「……」
YC「でも、こうやって、泣いてるーから…」
A「……」
YC「俺が、Aをほっとけるわけないでしょ？」
またユチョンは私を抱きしめる。
そのやさしい腕に包まれて
私はたくさんたくさん泣いた。
ユチョンは甘える私が
それでもチャンミンを好きなのを
ちゃんとわかってると思う。
そんな気持ちをもてあそぶように
この腕を振りほどけないでいる私は
ひどい女なのかもしれない。
だけど、今だけでいいから…
｜
｜
家へと向かう帰り道。
ユチョンは私の腰に手を回し
私の歩く早さに合わせて
ゆっくり、ゆっくり歩いてくれた。
すれ違う人はユチョンに気づいてる。
だけどそれでもユチョンは
そんな周りの目よりも
泣いてる私を気づかう事を
大事にしてくれていた。
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月26日 12時
