ep150 【CM Side】 ページ50
【CM Side】
こんな時でも、僕は素直になれない。
あなたからユチョニヒョンの名前が出ると
冷静ではいられなくなって…
心にもないことを言ってしまった。
夢を叶えるためじゃなく
ただ僕のため、５人のために
仕事を辞めてまで韓国に来たというあなたは…
今も全力で気持ちを伝えてくれたのに。
…なのに、なんで指輪を返すんですか？
あなたがあの日の空港でも
この指輪をしてくれてたから
僕は今でも繋がってると思えた。
僕の事を思い出にできないって言葉は
今でも僕が好きって事ですか？
じゃぁなんで
部屋を出ていこうとするんですか？
あなたは泣き虫なのに
あの写真を見て泣いていたのに…
…何で僕の前では泣かないんですか？
何で無理して笑うんですか？
僕は思わずあなたの背中を
追いかけて抱きしめていた。
あのイヴの夜のように…
CM「……」
A「…チャンミン…」
あなたはあの日よりも細くて
僕が力いっぱい抱きしめたら
壊れてしまいそうだった。
CM「僕は、偽物じゃないですよ。」
A「……」
CM「あんなに人がたっくさんいる中で、"偽物"なんて呼ばないでください。僕が偽物に見えますか？」
A「なんで…」
CM「質問に答えてください。」
A「チャンミン…彼女いるでしょ？」
CM「あれは妹です。」
A「だって、ペアリングが」
CM「質問に答えてください…」
彼女を振り向かせる。
やっぱり、彼女の目は真っ赤で
今にも涙がこぼれそうだ。
CM「…いつまでたっても泣き虫さんですね。」
A「……」
CM「僕の前では無理して笑わなっくていいです…泣き虫さんのあなたがー、本物のあなたですから。」
A「…うぅっ…(泣)」
ボロボロと泣き出す彼女の涙を指で拭い
あの日のように両手で頬を包み顔を覗く。
CM「答えてください。僕が偽物に見えますか？…僕の名前を言ってみてください。」
A「…ちゃ、チャンミ」
僕の名前を呼び終わる前に
あなたの唇をふさいだ。
泣いているあなたが愛しくて。
僕の腕の中にあなたがいることが
こんなにも幸せで――…
この気持ちが"愛"なんだと
あなたが教えてくれた。
もう離さない…
ここからどこにも行かないように。
僕はあなたを抱きしめて
何度も何度も口づけた。
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作者名：natsu
| 作成日時：2011年10月10日 9時
