第679話 嫌。 ページ19
翌日、朝食を食べたあと
２人でソファに並んで座り
ユノからもらった
この間のドームライヴのDVDを観た。
私は本当はあまり観たくなかったけど
ジヨンが観たがったから…
ジヨンはユノの踊る姿や笑顔を
たまに照れながらも真剣に眺めていた。
そして"Forever Love"。
イントロが流れた時点で
また冷やかされるかなと思っていた私。
JY「……」
A「……」
だけどそれでもジヨンは変わらずに真剣。
その姿に触発されるように
私も同じように真剣に見入った。
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"何度も何度も歌うよ 大切な君のために"
２人一緒にいれた時間は
少なかったにも関わらず
私はチャンミンのキレイな歌声を
何度も聞かせてもらった。
１番聞きたかったこの曲のこのサビは
このライヴでしか聞けなかったけれど…
だけど今まで歌ってくれた
どんなに素敵なラブソングも
今は思い出すだけで胸が苦しい。
"この世でひとつの確かな宝物"
宝物…
チャンミンにとっての宝物が
"私"であったと思っていてもいいかなぁ。
まだ私を"宝物"と思ってくれているなら
まだ私の側にいてくれたかなぁ。
チャンミンのはにかんだ笑顔が
ＴＶ画面に映る。
今の私はその姿を見ても
ライヴの時のように素直に喜べなかった。
あの時のドキドキを
今でも鮮明に覚えているこの胸だけが
ただ、苦しい。
A「……」
JY「…今、なに考えてる？」
A「え…？」
ただじっと画面を見つめていた
ジヨンの瞳が、今度は私を捕えている。
A「…まだ、私がチャミにとっての宝物であればいいなーって…」
JY「…今は違うの？」
A「…わかんない。違うんじゃん？」
JY「どうして？」
A「…だって…だって、もしまだ宝物だと思ってくれてるんだったら、側にいてくれるでしょ？少なくとも私はチャミを宝物だと思うから、離れたくなかったし。」
…嫌だ。
こんな嫌な言い方したくないのに…
だけどこんな言葉にしかならない。
JY「チャンミンの気持ちは変わらないんでしょ？」
A「わかんない。」
JY「ユノもーそう言ってたよ？」
A「さぁ？本心はチャミにしかわからないでしょ。」
JY「……」
言葉にするほど
どんどん嫌な女に
嫌な人間になっていく…
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月14日 0時
