Begin...【changmin】第６章-Part２- (ページ4)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:15,718 hit

第564話お父さん？【CM Side】ページ4

【CM Side】

マフラーを巻いて
旅館の中をうろうろと歩く。

さっき金属板の地図みたいなのが
大きく壁に貼ってあったけど
漢字だからよくわからない。

でもこうやって探していれば
どこかにあるし、いるはず。

だってここはAの家だって
さっき言ってたから…

僕は色んな部屋を覗きながら
うろうろとAの家族を探していた。

｜
｜

奥まった場所に行くと
何やらいい匂いがしてくる。

その匂いに誘われるように
足を進めると、漢字でなんとかって
書かれた部屋の前に。

多分…キッチン？かなぁ。

僕はのれんの下まで体を下げて
キッチンの中を覗く。

すると反対側から運転手さんが
タオルを首から下げて歩いてきた。

運「どうかしました？」

僕は急いで体を起こし
覗いていたのを見られて少し照れた。

CM「あ、いやっ…」

運「お腹空きましたか？」

僕は確かにお腹は空いていたから
「空いてはいます」と答えた。

運「もう少しでお部屋までお運びすると思いますから。」

「はい」と頷くと
僕はまたのれんの向こうを覗いた。

キッチンに目を向けながら
僕は運転手さんに尋ねる。

CM「この旅館、ぼっくの彼女ーのぉお家だったんです。」

運「……」

CM「普通そうゆう場合はぁ、お母さんが料理ーをつっくってますか？お父さんですか？」

運転手さんは一点を見つめて黙り
何かを考えたあとに
「違いますよ」と答えた。

僕はのれんに顔を向けたまま
横目で運転手さんの顔を見る。

運転手さんは多分知っていたはず…
僕の彼女がAだって事を。

そして当然Aの彼氏が
この僕だって事を。

だってAが運転手さんに
僕達の旅行の案内を頼んだんだから。

僕の話を聞いてても"その女性"なんて…
まるで僕達の事を知らないかのように。

どうして僕に何も
言ってくれなかったんだろう。

もしかしたら運転手さんは…

｜
｜
｜

CM「運転手さん…」

運転手さんは僕に呼ばれて
視線を僕に向けた。

運「……」

CM「運転手さんはー…Aの、お父さんーですか？」

運「……」

CM「……」

「Ｙｅｓ」とも「Ｎｏ」とも言わず
ただ僕の目を見つめる運転手さん。

僕はその反応を「Ｙｅｓ」と取り
その場で頭を下げた。

CM「初めまして、僕、Aさんとおっ付き合いしているー、シム・チャンミンといいます。」