Begin...【changmin】第６章-Part２- (ページ19)

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第579話「いいこと」。ページ19

５人の部屋を出ると
早く残りの仕事を終わらせて
父の所へ行こうと私は懸命に働いた。

年末だから宿泊客も多く
体力的にも結構つらいけど

チャンミンと父が解り合えたという喜びが
心も、体さえも軽くする。

母は普段の何倍もの笑顔で働く私に
そっと話しかけた。

母「チャミちゃんといいことあったの？」

A「え？笑」

母「顔に書いてある(^^)」

母は嬉しそうに私の横に並ぶと
はだけた着物を直してくれた。

A「んー…いいことってゆうか…いいことなんだけど(笑)」

母「(笑) なによそれ(笑)」

A「お父さんがチャミの事認めてくれたの(^^)」

母は「あら！」とでも言いそうなぐらい
目と口を大きく開いたまま
驚いて私を見ていた。

母「だって、今日来たばかりじゃない！」

A「うん(笑) 私もびっくりした。もっと時間かかると思ってたから…」

母「…あのお父さんがねー…ちゃんと話せたかしら。お父さん無口だから。」

A「私もちょっと心配だったけど、チャミを見た感じちゃんと話したみたいよ？
チャミは思ったらすぐ行動する人だから、その勢いに負けちゃったのかも(笑)」

母「チャミちゃんったら…やるわね(笑)」

A「(笑) それに今日、お父さんがガイドやったらしくて、チャミとたくさん話してたって(笑)」

母「えぇーっ！勝手に…(笑)」

A「(笑)」

「お父さんもチャミちゃんと
早く話したかったのかもしれないね」
と、母は笑っていた。

A「お母さん」

母「なぁに？」

A「心配かけてごめんね。」

少し声が震えながらも
あらためてこの言葉を伝えた私に

母は今にも泣きそうな顔で
小さく「うん」と頷くと、優しく笑った。

母「結婚式までにダイエットしなくちゃ！」

A「結婚の挨拶をしてたんじゃないよ？笑」

母「え？違うの？」

A「だって私まだ、チャミにちゃんとプロポーズされてないし(笑)」

母は「あらぁ～」と残念そうにしながらも
「早く孫がほしいわぁ～」と、まだまだ
遠い未来を思い浮かべて楽しそう。

母のその言葉を聞いて姉は
「ユチョンの子どもがいい」なんて
結構本気で言っていた(笑)

私は事情を知らない姉の言葉に
苦笑いしながら、チャンミンから渡された
小説を抱きしめて父の部屋に向かった。