第571話 お風呂？【CM Side】 ページ11
【CM Side】
僕はAのお父さんに
「ついてきなさい」と言われて
後を着いていく。
防寒することもなく
外に出ていくお父さん。
外は雪が降っていて気温が低く
風も強くなっていた。
ジュンスのマフラーだけじゃ
本当に寒すぎて凍える。
お父さんは雪が積もり始めた山道に
木の板が敷かれた一本道を進んでいく。
なんか今日はお父さんとこうやって
歩いてばかりだな…
あの草原では一緒にいるだけで
僕の心は楽で暖かかったのに…
今は不安だし
どうしていいかわからないし
心も体も寒い(汗)
このタオル、何に使うんだろう…
まさか…
CM「……(汗)」
…僕、テレビで見たことあります。
日本の山の中で裸の人達が
冷たい滝に打たれて体の中にある
"悪いもの"を洗い流すのを…
まさか、それですか？汗
確かに僕が悪いのはもう痛いほど
わかってますけど…
でも…
でも、お父さんがやれと言うなら
僕はやりますよ。
それで"悪いもの"が流れて
Aのためになるなら…
僕は"それ"をやる覚悟で
寒くて震える体を叩き
気を集中させて
前を進むお父さんに続いた。
｜
｜
ふと遠くの一帯が木造の塀で囲まれて
明るくライトアップされてるのが見えた。
その中から煙が上がっている。
CM「ぁ…お風呂ー…ですか？」
お父さんはその入り口のドアにかかった
札を指差して少し笑い、中に入った。
CM「……」
お父さん…僕、漢字読めないです…(汗)
僕はもう少し漢字の勉強を
しておけばよかったと後悔しながら
「おぉ〜ぅ」と解った振りをして頷いた。
｜
｜
扉を開けて中に入ると
お父さんはさっさと服を脱いで
腰にタオルを巻いて奥の扉を出ていく。
僕はお父さんがガラス扉を開けた時
タイミング悪く上半身裸だったせいで
勢いよく吹き込む冷たい空気に
体を震わせながらパンツを脱いだ。
そして腰にタオルを巻いて早く暖まろうと
お父さんの後を追いかけた。
CM「うーわぁー…」
そこにあったのは僕が想像していたのとは
何倍もキレイで大きな露天風呂。
岩の上には雪が積もってて
寒いから湯気が濃くて
それがライトアップされて幻想的。
僕は急いでシャワーを頭から浴びると
震える体を擦りながら
濃い湯気で見えなくなった
岩風呂のお湯の中にお父さんを探した。
第572話 「お父さん」。【CM Side】→←第570話 発見。
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年3月30日 19時
