ep34 ページ34
そろそろ帰るかぁ…
席でお会計を済ませ
荷物を手に持ち立ち上がると
思いの外お酒がまわっていたのか
ふらふらっと千鳥足になってしまった。
実は３杯もお酒を飲んだのは初めて。
少し気持ち悪い…(汗)
店の外に出ると
真夏のもわっとした空気に襲われる。
でも、私はこの空気が好き。
学生の頃"夏休み"にワクワクさせる空気。
でもこの夏は一人。
A「はぁ…」
ふと、Somebody To Loveを口ずさむ。
A「〜♪暖かい夜風が僕の頬を撫でてく 誰かと過ごしたあの夏みたいに〜…」
端から見たらただの陽気な酔っ払い(笑)
でも、気分がいいなぁ〜♪
A「〜♪夏のかけらがここに出会い運んできたら 痛みも涙もすべて忘れて 愛したい〜」
…なんか、この歌詞って今の私みたい。
不意に今日知り合った
あの人が頭に浮かぶ。
A「まだ見ぬ君への愛が始まる…」
いやいやいやいや
酔ってるなぁー私！！(笑)
A「ダメダメ(笑)」
両頬を叩き千鳥足のまま
自分のマンションを目指した。
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A「…家から意外と近かったんだ…」
やっと家の玄関のドアの前に着く。
家に着いてしまったら
亮太のいない現実に引き戻されてしまう。
…そんな気がする。
A「……」
でもきっと大丈夫。
左手の指輪を見つめて「よし！！」と
気合いを入れると玄関のドアを開けた。
A「ただいまぁ」
…真っ暗な玄関からは
返事なんて聞こえるわけなく。
はぁ〜とため息をつくと
リビングのソファーにもたれた。
何かを考えてしまう前に
目に着くものを次々といじってみる。
A「……」
テーブルの上には
ライブのパンフレットと
２本のペンライト。
そして白のツアーＴシャツ。
A「あぁーライブ最高だったなぁー」
ラスト…チャンミンが
白のツアーＴシャツを着ていたのを
なんとなく思い出して、私も着てみる。
A「一緒一緒♪」
鏡を見て少し微笑む。
だけど、自分の顔を見てハッとした。
A「……」
目が腫れてる…
A「うぅっ…うぅ〜(泣)」
やっぱりまだ、亮太がいない現実は
耐えられそうにないよ…
あんなに泣いたのに
次から次へと涙が落ちていく…
寝室に向かい、ベッドに横になって
気づいたらその日は
泣きつかれて寝てしまっていた。
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作者名：natsu
| 作成日時：2011年10月10日 0時
