第176話 戻れない。 ページ16
CM「なんで…抱きしめてくれないんですか？」
A「……」
…わからないよ。
チャンミンの幸せが…私の幸せが。
抱きしめて、腕の中にいれることが幸せ？
大好きな音楽に触れていられるのが幸せ？
A「……」
……一緒にいれることが幸せ？
CM「…A？」
何も言わない私の顔を
チャンミンが見つめている。
チャンミンの目が見れないよ。
何もわからないよ…
唯一、わかることは…
A「……」
"チャンミンが今、幸せじゃないこと"…
A「……」
CM「…そんな顔をしないでください。」
チャンミンは私から顔を背けて
またソファに座る。
A「……ごめん…」
CM「なんで謝るんですか？」
A「……」
CM「何も答えないんですか？」
顔を向けずに冷たく言い放つ。
CM「…辞めるって言ったのは、本心です。」
A「……」
CM「ヒョンは"もうすぐ"って言いましたーけどー、僕はもう、何度も何度も、そう思って過ごしてきましたよ…でも、"もうすぐ"ではなくてー、音楽ー以外の仕事ばかりじゃないですか。」
A「……」
CM「…辞めたって変わらないー…でしょ？それに、Aと一緒にいたいし、だっから……」
チャンミンは肩を震わせて泣いてる。
…苦しんでいる。
前と同じ。
電話越しでしばらく韓国に帰るという事を
私に伝えた時と同じ…
誰にも話せない痛みを私に話して
チャンミンは泣いていた。
そんなチャンミンを私は
抱きしめてあげたいと思った。
そしてその気持ちが"恋"だと気づいた。
A「……」
今、チャンミンは
あの時と同じように苦しくて泣いてる。
あの時と同じように
"周りの人達を裏切れない"と…
あの時は顔も知らない友達。
"関係のない人"として話を聞いていたけど
私はもうチャンミンの
"周りの人達"に入るんだね。
一定だった距離が縮まったら
やっぱりチャンミンを苦しめてしまった。
私達はお互いに
居心地のいい関係だったのに…
…もう戻れない。
A「……」
チャンミンは"私"と"家族以上のヒョン"
どちらも裏切れなくて苦しいんだね。
でも手を伸ばせば触れられる今になっても
抱きしめてあげられないよ。
ごめんね、チャンミン…
私は何の言葉もかけてあげられずに
部屋を出ていった。
…"さよなら"も言わずに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「東方神起」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：natsu
| 作成日時：2011年10月14日 1時
