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『忘れ物取りに来たんだけど』
「あ、えっとケータイならそこに、」
やっぱり、紫耀のだったんだ。
久しぶりの二人きりに
心臓が飛び出しそうなくらい緊張する。
『あ、あった、ありがと』
この間の冷たい彼と変わらなくて
きっともう、私の思いは
どうやっても届かないことに気づいてしまった。
今から足掻いても、遅いんだ。
じゃあ、と 颯爽と立ち去ろうとする紫耀を
これが最後だから。
「あのさ、」
そうけじめをつけて呼び止めた。
『、、なに』
ドアをあける手をとめたものの
背を向けたまま答えた紫耀。
その背中を見ながら、
震えそうな声をどうにか出そうとして
私は一度ゆっくり息を吐いた。
「紫耀は幸せになってね」
溢れそうな思いをしまって
ようやく振り絞った言葉に
たくさんのありがとうを込めた。
私は、紫耀と幸せになれない
このまま彼と話すこともできなくなって
お父さんに従うまま、結婚しなきゃいけない。
結局はこういう運命だったんだ。
私はそんな立場の人間だから
諦めないといけないんだ、
でもね
自分の幸せを、掴めないなら
せめて紫耀だけでも幸せになって欲しいの。
私を幸せにしてくれた紫耀が
私の分まで幸せになってくれれば
それでいい。
そのかわり、
ずっと好きでいてもいい？
『A、、？』
驚いた顔をして振り返る紫耀。
「一生分の幸せ、ありがとう、じゃあね」
これ以上彼と話すときっと
涙を堪えられないから
じゃあね、と伝えて片付けに戻った。
そうだ、元はと言えば
こんな予定じゃなかった。
最後に素敵な夢を見させてくれた、
それで私は満足しなきゃいけない。
なのに
『あんまり無理すんなよ』
どうして？
最後にくれた彼の言葉は優しくて。
ドアが閉まったと同時に
私はその場に崩れ落ちた。
その優しさは、要らない。
今は私を苦しめるだけだから。
「結婚なんてしたくないよ」
ウエディングドレス姿の私の隣に
彼がいる未来は見えなかった。
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るるー - 更新しないのかな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜… (1月24日 18時) (
レス) @page39 id: 6919ea9653 (このIDを非表示/違反報告)
るるー - すみません、、。少しつめすぎました、、。(?)さいしょのコメント、、。 がんばってください！応援します！楽しみにしてます！ (1月16日 16時) (レス) id: 6919ea9653 (このIDを非表示/違反報告)
るるー - 更新たのしみにしています！！！ (1月10日 13時) (レス) @page39 id: 6919ea9653 (このIDを非表示/違反報告)
るるー - 早く更新してください！！！どんな展開があるかまっているんです！これ見てて涙がでるんです！つづきつくってください！！！ (1月10日 13時) (レス) @page39 id: 6919ea9653 (このIDを非表示/違反報告)
kana - 更新すごく楽しみにしています！！ (2022年9月30日 23時) (レス) @page39 id: 7200219c9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこ
| 作成日時：2019年2月18日 1時
