ピアス (ページ8)

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廉「どうなん？そっちの班は」

『あぁ、うん。楽しそうだよ？』

廉「…お、おぅ。そっか。良かったな」

あっという間に空はオレンジ色で

いつものように肩を並べて歩く道も

少しだけ寂しく感じる。

『廉、めっちゃモテモテだったね』

廉「まあな。俺も楽しくなりそう」

『良かったじゃん』

安心したような廉の表情にホッとし、

ふと空を見上げれば

グラデーションになっている空。

『私ね、このくらいの時間の空が好きなの』

廉「どうしたん？急に」

『別に何でもないけどさ。このまま私たち、

ずーっと仲良い幼馴染みでいれるといいね！』

ね？、と横を見たものの

なぜか複雑そうな顔をする廉。

『え、嫌だった？』

廉「…ううん。せやな！幼馴染み、な？」

『もー！心配したじゃん！嫌われたかと思った』

廉に嫌われたら

私は多分この先、何も出来ない。

廉のおかげで友達だって増えたわけだし。

廉「久しぶりに寄り道、していかへん？」

『廉の奢り？』

廉「もう、しゃあないな～。奢るよ」

寄り道っていっても

私たちの指す寄り道は

ただコンビニでアイスを買って食べるだけ。

大体は廉が奢ってくれるけど

私が高いものを買おうとすると

あからさまに嫌な顔をする。

『今日は…高いのいい？』

廉「…は？えー、まあええよ。今日は」

『さすが廉！やった！』

私は嬉しさのあまり、

スキップをしながらコンビニに入り

迷わずハーゲンダッツを手に取った。

今は言えないけど

廉がしてきてくれたことは

全部いつか恩返ししたい。

それまで、ずっとそばにいて欲しい。

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