ピアス (ページ31)

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やっぱりページ31

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「ほら、早く！」

先輩に急かされるように

ひざまずいたそのとき

「…何やってんですか？」

後ろから聞き覚えのある声がした。

「…平野くん」

『紫耀…？』

そこにいたのは

私たちをけげんそうな目で見る紫耀だった。

紫耀「こいつ、俺らのこと弄んでなんか無いですよ？」

「…だって！2人ともに近寄ってるじゃない！」

紫耀「俺が近寄ったんです」

紫耀の登場に驚いたのか

それとも紫耀の登場に喜んでいるのか

さっきまでの先輩の圧はだいぶ収まっていた。

紫耀「俺、こいつにキッパリ振られたんで。

お願いだから責めんのはやめてあげて下さい。」

真っ直ぐな紫耀の瞳には

さすがに叶わないらしく

それなら仕方ない、と去っていく先輩たち。

そして、私の方をみて微笑む紫耀。

この光景は、あの遠足の日と全く同じだった。

『助けてくれて、ありがとう…でも何で？』

紫耀「ただ好きな人を守りたいと思っただけ」

『紫耀…。』

咄嗟に出た私の声は震えていて

またあの日みたいに泣いてしまいそうな気がした。

紫耀「俺、Aのこと諦めてないから」

『ごめんね…本当にごめんっ』

紫耀「俺が助けると泣くのやめろよ」

私も紫耀のことが好き。

そう言えてしまったらどれだけ楽だろう。

それが出来ないのはきっと神様の意地悪だ。

紫耀「Aに話したいことがある」

『話したいこと…？』

紫耀「…場所変えよ？」

誰にも聞かれたく無いから、と言う意味深な言葉に

よくわからないまま頷くと

歩き出す紫耀にただ着いていくことしか出来なかった。

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