ピアス (ページ22)

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青空の広がる心地の良い日。

色とりどりのTシャツを着た生徒たちが

一斉に校庭に集合する。

この学校の体育祭は

クラス内が赤、青、黄、緑の4チームに分かれ

そのチームごとで対決する。

私は黄色チームで、廉は青チーム。

そして紫耀は赤チームだ。

チームごとでハチマキとTシャツの色が変わり

女子たちは紫耀と廉のTシャツ姿を見て

こっそり黄色い悲鳴を上げていた。

今日は廉とは特に何もなく

いつも通り一緒に登校して

いつものように他愛のないことを話した。

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「騎馬戦の生徒は集合してください」

そうアナウンスがかかったのを合図に

私は友達と一緒に集合場所へ向かう。

「頑張ろうね！」

『…うん！』

なぜか私は上に乗ることになってしまい

懐かしさの残るつば付き帽を被らせられた。

意気込んでは見たものの

内心、先輩の視線が怖くて

あまり目立たずに終わることを祈っていた。

先輩からもモテてしまう廉のせいで

私へ向けられる先輩からの視線は

飛び上がるほど怖いのだ。

「Aちゃん！取って！」

『あああ、はい！』

『頑張って！』

女たちの激しい戦いが繰り広げられ、

それに必死についていくのに精一杯だった。

しかし、終わる頃には何個か帽子を取ることができ

なかなかに活躍できたのではないかと思う。

「Aちゃん、お疲れ様」

『うん！お疲れ様！』

競技が終わり、鑑賞席に友達と戻っていると

廉が私の元へ駆け寄ってきてくれた。

廉「A、お疲れ様。ずっと見てたで？」

『ありがとう。次100メートルじゃん！』

廉「おん。俺、頑張るから」

そういうと廉は集合場所へ行ってしまった。

「やっぱ羨ましいなAちゃん」

『廉は幼馴染みだ…』

誰かに羨ましいと言われたとき

いつも返している言葉を口にしてみると

それはもう使えないのだということに気づいた。

廉は私の彼氏なのだ。

しかし、その2文字はとても重くて

やっぱり少し息苦しかった。

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