いつか言おうと思ってる。

第１０話 マイ・ポートレート ページ13

小さい頃から、お絵描きするのが好きだった

幼稚園の時も、小学生の時も、中学生の時も
休み時間に友達と遊ぶよりも、よく絵を描いていた



中学生までは周りの子に文句を言われない程度に遊びに付き合ったりもしていた
たまに「絵上手いね」って言ってくれる子もいたりして



高校は、普通に地元の公立高校に行った
専門学校に行くにしても、高校は出ておきたかったから



高校に入ってからも休み時間は絵を描き続けた
ここには美術部があったから入部した
中学の時はなかったから少しドキドキした
デッサンとか、風景画とか、水彩画とか、出来るものは何でもやってみた





休み時間だけじゃなくて、授業中もこっそり描いてたこともあった








それが、駄目だったのかもしれない








気付いたら、周りに誰もいなかった


移動教室の時も、一人ぼっち

まあそれは別に良かったんだけどね





クラスの他の女の子達に陰口を言われ始めた


「悠ー、またお絵描きしてんのー？」

「えっ、あ、うん」

「お前さ、別に上手くないんだからそういうのやめな？」

「…そうかもね、ははは………」

「一匹狼の私かっこいいーとか思ってるのかな？」

「思ってないよ、そんなこと」




そうやって、言われた
運が悪いことに、その女の子達はクラスの上位カーストに位置する子達で


酷いことをされたとかではなかった


でも、一人ぼっちは、思ってたより辛かった









けれど私は







あの日、君が、ぽつりと零した言葉に救われた





「えっ、上手すぎかよ…」





私の机の横を通る時に、聞こえた声

バッ、と顔を上げれば一瞬カチリと目が合った



君の、綺麗なピンク色の瞳に、目を奪われた





「きれい、」

そう呟いた
声は出てなかったかもしれないけれど





その後君は何事も無かったようにいつも通りだった









.









「チッ、雑魚が」



今、こうして、


君と笑って話せることが、本当に幸せで




「茅ヶ崎口悪い」


「わかってます！！！！」

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