渡された退職届 ページ2
人理継続保証機関、「フィニス・カルデア」
7つの特異点が現れ、100年先の人類史が確認できなくなったが、それを修正し人理を修復し終えたのはつい最近の話。
私はカルデアの一時雇用者、つまりアルバイトだ。
アルバイトを辞めようとした矢先に人理消失という大事件が発生、辞めようにも辞められず、ただただカルデアの中で働き続けてきた。
働いているなかで人類最後のマスターである藤丸立花君の手伝いをしているうちに、この仕事が好きになった。
しかし現実というものは残酷で、ゴルドルフ新所長に呼び出されて渡されたのは手紙。
私の契約打切書、つまりは退職届だった。
A「・・・私はもう用済みだと?」
ゴル「そんなわけないだろう!・・・魔術協会からのお達しだ。一時雇用者を雇うよりしっかりとした技術者を雇えと。しかし、君はもうこのカルデアの一員だ。家族の様なものだと言ってもいい。」
A「では何故‼」
ゴル「・・・魔術協会が君の技術力を高く買っている。良い技術者を何人か此方に与えるから代わりに君を寄越せと。いや、君の記憶力を寄越せと言っても過言ではない。」
A「・・・・・」
ゴル「だから考えたんだ。君を魔術協会から遠ざけるには此処を辞めさせてしまえばいい。そうすれば君は魔術協会に追われることはないはずだ。」
よく考えてくれ、しかし誰にも話すな。
そういって所長は私に退職届を押し付けた。
部屋に帰った私は荷造りをした。
オルガマリー前所長に貰った櫛にワンピース、お気に入りの懐中時計。
カルデアの皆で撮った記念写真。
大事な思い出達をトランクに詰め、退職届に取り掛かった。
ペンを出そうと机の中を漁っていると、何かが手に当たった感触。
それを引っ張り出すと、見覚えのない印蝋で封をされた手紙で。
見覚えのない、ということは他の誰かの物かも知れないが、生憎この部屋にはロックがかかっていて、職員の持っているカードキーでないと開かない仕組みになっているのでその可能性は極めて低い。では誰からだろう。
この手紙はシンプルであるものの上質な手触りのいい原料を使われており、印蝋は蒼い蝋に互いが向かい合う二人の女神像が記されている。
何やらとてつもなく楽しそうな予感がすると踏んだAはそっと印蝋を剥がして中の手紙を呼んだ。
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涙(プロフ) - FGOも問題児シリーズも大好きなので、この作品に出会えて嬉しいです!更新楽しみに待ってます! (2018年4月16日 15時) (レス) id: 905b6003db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イエアメガエル | 作成日時:2018年4月15日 21時