独立戦争 アメリカside ページ2
部屋の窓から外を眺めていると、灰色の雲が空を覆っているのが見えた。
それはまるで、これから起こる戦いの雲行きをあらわしているようにも思える。
イギリスからの独立を決意してからどのくらいの歳月が流れたのだろう。
イギリスはフランス相手にはちょっぴり怖いけど、料理もあまり上手ではないけど・・・でもすっごくいい奴だ。いい奴で、その、なんていうか・・・好きな人だからこそ、弟という立場をやめたいなって思うようになったんだ。
そういえば、いつから俺はイギリスに素直に好意をつげることができなくなったんだっけ・・・
うーん、よく思い出せないんだぞ!
「アメリカさん、もうすぐ開戦です」
「わかってるんだぞ、
準備するよ・・・」
とにかく今は、目の前のことに集中しないと・・・
ああ、もう・・・
集中しないといけないのに、どうしてもあの人の顔が頭にちらつく。
「イギリス・・・」
そう呟いた声は小さく震えていて、自分のことながら情けないなって思ってしまう。
俺は自由になるためにイギリスから独立しようとしているのに・・・
身も心も全部、イギリスに占領されていたみたいだ。
ねえイギリス、君はホントに恐ろしくて、強くて、ヒーローで・・・
とってもいとおしい。
君の占領から逃れるために、俺は君から独立するよ。
それで今度は、俺が君の身も心も占領するんだ。
だからもう迷わない。
「アメリカさん!イギリス軍がすぐそこに!」
ふふっ、自然と口から笑いがこぼれる・・・
(イギリスってば、あの時のことを覚えているかな?)
「すぐに行くよ」
そう告げて扉に手を掛ける。
俺は自分の力で君と自由を手に入れてみせる。
『くたばれ イギリス!』
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作者名:ねろ | 作成日時:2018年2月21日 14時