王馬小吉の夢短編集 (ページ2)

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薄暗い教室で君は何を思うかページ2

放課後の中学校で私は委員会のポスターを作っていた。
「ふぅー…終わった………文化祭のポスターなんて重役、なんで私一人に押し付けたんだろう」

文句を言いながらも2時間も掛けたポスターの出来は完璧だ
あとはこれを先生に提出するだけだ

椅子から立ち上がりポスターを持って美術室のドアを開ける

『あっAちゃん!やっと終わったんだね
待ちわびすぎてオレ疲れちゃったよ。お詫びにヴァンタ奢って!』

そこにはいつから居たのか分からない王馬君が私を待ち伏せしていた

『その様子だともうポスター終わったんでしょ？じゃあ後は出すだけだよね?ノロマなAちゃんの代わりにオレが出してきてあげよっか？』

黙っている私をよそ目に王馬君は失礼な事を言う

『王馬……君、いたんだね』
やっとの思いで振り絞った言葉に奴は反応を示す

『Aちゃんってば反応遅ーい…あーあ、Aちゃんがノロマなせいで何言おうか忘れちゃったじゃん…どうしてくれんの?』

こちらを刺すような目で見てくる王馬君

この時点で大体の人が私が王馬君のことが苦手だということが分かるだろう。

その原因は私に嫌がらせをするから

他の人にも嫌がらせはするが、こんな放課後まで残ってしかも扉の前にピッタリくっついてるなんておかしいよ
そう思ったが、言ってしまえば厄介なことになるのでその言葉を静かに飲み込んだ。

『あ…え〜と、王馬君の言う通りさ、あとはコレ出すだけだから…ちょっと〜…どいてくれる?』

王馬君と視線を合わせないよう、ポスターに目を向けながら言う

『えっ、なんで?』
心底不思議そうにこっちを見てくる王馬君

『オレが退くんじゃなくてAちゃんがちょっと遠回りすれば良いだけだよね?なんでそうしないの?』

王馬君は私がなにか言うとたいてい無茶苦茶な理論を振りかざしてくる。
それを言うなら王馬君が少し横にずれるだけでいいだろと言いたくなるが、こういう場合彼はいつも"お決まり"のセリフを発するのだ。

『なーんてね!ウソだよ!』