〈15年前〉�� ページ22
長い沈黙が降りた
その間、無表情で黙って俺を見ていた男は口を開いた
「それをお前に言う必要はない」
「あっそ」
なんだ、てっきり教えてくれるのかと思った
…それにしても、なんでそんなに俺に会いたいんだろう
見ず知らずの少年を探してこいと、わざわざ部下を向かわせるなんて普通じゃない
それに、どうやら彼女は俺の前世を知っているようだ
一体彼女は、何者なんだろうか
ここまでしてまで俺に会いたいと思うなんて、何が目的なんだろうか
「で、藤宮くん。改めてもう一度質問しよう。君は、俺の提案を受け入れるのか？」
「…」
「早く答えないと死ぬぞ」
男の言う通り、俺の体はもう長くは持たない
だが、もしこの提案を受け入れたら俺は死なずにすむだろう
そうしたら、きっと俺がずっと気になっていたこの世界の謎を知ることもできる
お嬢様とやらの存在も。
そしてもしかしたら、この世界にいるかもしれない桜にも再会できるのかもしれない
.
でも、はたしてそれでいいのだろうか？
このまま生きるということは、もう一度「俺」として生きなければいけないということだ
自分の短い人生を振り返ってみる
.
不思議なことに
.
とくになにも浮かんでこなかった
「俺はいい。このまま大人しく死ぬから」
「…」
一瞬の静寂が辺りをつつんだ。
黙って俺の顔を見ていた男の口が、なぜだか微かに歪んだように見えた気がした。
「…そうか、それは残念だな｣
「わざわざ来てもらったのに悪いな。もう帰ってくれ｣
「別にいいさ｣
かがんでいた男は立ち上がると荷物を背負った
「それにしても…お嬢の言う通りだったな」
「は？何がだよ」
ふと視線を合わせて、男は口をはっきりと歪に歪めた
「だーかーらー」
「お前が、本当は他人なんかどうでもよくて、自分が可愛くてしょうがないだけのクソ偽善者だって話」
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ネギハチミツ(プロフ) - レイさん» まず、私の作品を気に入って下さり本当にありがとうございます！私も他の方がアンチコメを書かれているのを見たことがあります。正直アンチは怖いですが、レイさんのように応援してくださる優しい読者様がおられることを忘れないように頑張りますね！ (2020年8月26日 15時) (
レス) id: c992f79167 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 応援しています。長文失礼しました。 (2020年8月25日 23時) (レス) id: d93c2575b2 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - ネギハチミツ様のお話はとても面白いので、今後アンチコメなどが書かれることがあると思います。しかしネギハチミツ様の作品は素晴らしく、私以外にも更新を楽しみにしている方が沢山います。アンチなどを気にせず、無理しない程度に更新頑張って欲しいです。 (2020年8月25日 23時) (レス) id: d93c2575b2 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - ネギハチミツ様の作るお話はとても面白く、話がよく作られており、ギャグな別作品と異なりシリアスな今作では主人公の悲痛な思いに涙が出そうになるところもありました。私はこれまでに多くの神作者の人々を見てきましたが、アンチなどがあり失踪する方々がいました。 (2020年8月25日 23時) (レス) id: d93c2575b2 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 初コメ失礼します。この作品がとても素晴らしいという事と、ネギハチミツ様のもう一つの作品も好きだったという偶然が重なり、思わずコメントを書いてしまいました。長文になりますが、どうかご了承の程お願い申し上げます。 (2020年8月25日 23時) (レス) id: d93c2575b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネギハチミツ | 作成日時：2020年8月25日 18時
