105話 ページ16
気がつくと、真っ黒い空間の中にいた
「…あれ、なにしてたんだっけ」
頭がぼーっとして思考がまとまらない
すると首に生ぬるい感触があり、手を当てると少量の血が流れていた
「…そっか…さっきロウレスに血を吸われて…」
この匂いは幼い頃から嗅いでいた匂いで苦手だ
「…あれからなにがあったんだろ…真昼たちは大丈夫かな」
しばらく歩き続けていく
前かも後ろかもわからない場所を
.
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「つぼみ」
.
.
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「え…」
今まで一人だけだったはずのこの空間に私の声ではない、違うもう一人の声が前から聞こえた
「…久しぶりだね」
「…うそ…」
自分の目を疑った
前から出てきたのは、私よりも濃い青髪を後ろでまとめ、快活そうな濃いオレンジの瞳の女の人
ー否、私の実の姉…篠宮咲だった
「なんで…」
「私はつぼみの姉ちゃんだからね。いてもおかしくないでしょ?」
「違うよ…なんで…まだ…だってあの時…」
そう、篠宮咲、私の姉は今から9年前、わずか20歳で亡くなったはずだ
そのあと私は親に捨てられ、祖父に引き取られた
「…お姉ちゃんは…9年前に…」
ここにいるはずがない
しかし目の前のそれは昔と変わらず優しい笑顔で立っていた
そして次にその口から紡がれた言葉は
「私はお前に殺された」
いつも私の中にずっとある、忘れるはずのないものそのものだった
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かなと(プロフ) - なのはさん» 返信遅れて申し訳ありません…!なのはさんありがとうございます!更新楽しみにしていただけて嬉しいです…!今後ともよろしくお願いします! (2020年8月17日 19時) (レス) id: c38ac02145 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しみです! (2020年6月16日 1時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - なのはさん» コメントありがとうございます!今これからの話を練っているところなのでもうしばらくお待ちしていただけたらと思ってます。長らく更新せずすみません… (2019年2月21日 18時) (レス) id: c38ac02145 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか? (2019年2月18日 23時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - なのはさん» コメントありがとうございます!更新楽しみにしていただけて嬉しいです…!真昼落ちにしようかと考えています。これからもよろしくお願いします! (2018年8月6日 14時) (レス) id: c38ac02145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなと | 作成日時:2017年9月24日 17時