to you 【SEVENTEEN】 (ページ26)

今日:273 hit、昨日:706 hit、合計:351,581 hit

___. ページ26

JH side

なんか、何となく寝付けなくてふと真っ暗なリビングに行けばソファーに小さなひとつの塊を見つけた。

半年前に加入した中学生の女の子。

人見知りを拗らせすぎた俺は年長だっていうのに、まだまともに会話が出来ていない。

スンチョルやジスはもちろん、ジフナやスニョンももうとっくにAとは仲良くなってる。

チームも同じボカチで、ちゃんと話さなきゃ行けないのに今更話しかけるとか無理で。

流石にスンチョルにもどうにかしろって怒られたわ…。

とはいえ、この子は何してんだ？？

JH「なにしてんの」

なんて声をかければ、肩をビクッとさせてこっちを向いた。

『寝れなくて…』

ボソッと小さな声で言ったA。

何となく放っておけなくて、少しだけ距離を空けて隣に座る。

半年前にたった1人で韓国に来たA。

来た時はほとんど韓国語が分からないし、韓国に来ていきなり俺らと混ざって練習しろ。

お前はSEVENTEENのデビュー候補として練習だって言われていた。

メンバーの入れ替えもあったけど、ずっと俺らでやってきたのにいきなり入ってきたのが女でしかも日本人で俺より6も歳離れてて…って納得は出来なかった。

だけど、そんな環境で不安だらけだろうに親元を12歳で離れて一生懸命毎日練習してるAに自然と凄いって思うようになった。

体力の差なんて埋めようと思っても埋まらないだろうし、限界があるはずなのに弱音吐かずに頑張ってて…。

普通の中学生だったらきっと普通に学校に行って、友達と遊んで家族と出かけたりってしていただろうし。

きっともっと甘えたりとかしたいんだろうな…なんて俺らしくないくらいAの気持ちや今までのAを思い出したら心が痛くなった。

JH「お母さんに会いたい？」

なんて問いかければ、顔を上げることも声を発することも無いけれど膝に顔を埋めながらかすかに頷いたのが見えて、

今横で小さく丸まってるAがまだ12歳の普通の女の子だって思い知るには十分だった。