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リトール 「カリエス、聞きたいことがあるんだがいいか？」
カリエス 「おう！何でも聞いてくれ」
リトール 「お前の機嫌が悪くなるようなことでもか？」
カリエス 「…？まぁ、聞いてみないと分からないが、リトールが気になってるならいいぞ」
リトールは一呼吸置いて、核心をつく質問をぶつけた。
リトール 「Aさんのこと、どう思ってるんだ？」
視線を逸らすことなく、真っ直ぐと投げかけた質問にカリエスは目を丸くして驚いていた。
カリエス 「…」
リトール 「…」
嫌な沈黙が2人を包む。時計の秒針がカチカチと進む音がやけに耳につき、長い間カリエスが手元を見つめて黙っているのを実感させた。
カリエス 「…Aは、幼馴染みだ」
リトール 「っ、それだけなのか？」
カリエス 「あぁ。それ以外にあるか？」
その素っ気ない言葉に思わずカリエスの胸ぐらに掴みかかりそうになった。
しかし、カリエスがリトールに向けた表情は迷子の子供のように困っていて、握りしめた拳を膝の上に無理やり収めた。
リトール 「…それ以外にあると思ってる。いや、思いたい。あくまでも俺の意見だが」
カリエス 「それは勝手な意見だな。だが、貴重な意見だ」
何を言いたいのか伝わっている。カリエスも何を言われたのか分かっている。
しかし、互いに端的な表現を避けていた。
カリエス 「…俺は、ずるい奴だと思うか？」
リトール 「…？」
カリエス 「Aは俺にとって大切な、特別な存在であることには変わりないんだ。ただ、それに名前を付けると色々変わってしまう…。今の曖昧な関係が安心するっていうのは、ずるい奴の考えなのだろうか？」
その真剣な表情に何も言い返せなくなった。
【幼馴染み】であり【男と女】であり【王子とメイド】である2人は、いつかは今の関係が終わりを告げることを理解している。
だからこそ、互いにはっきりとさせない。踏み込んではいけない一線があるのだと、察しながらも背を向けることは出来ないのだ。
リトール 「俺に何か出来ることはあるか？」
思わず口からこぼれた言葉だった。
周りで黙って見ているだけでは苦しすぎた。2人のために何かしたいと思った。
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べーだい＊メガネ(プロフ) - Da.Liさん» ありがとうございます(TT)本当に嬉しいです！頑張ります♪ (2022年11月7日 23時) (
レス) id: 5d75e3e900 (このIDを非表示/違反報告)
Da.Li(プロフ) - 更新ありがとうございます！とても素敵な話で楽しませてもらっています！これからも楽しみにしています！ (2022年11月7日 9時) (レス) @page32 id: 5f9bb70e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べーだい＊メガネ | 作成日時：2020年10月20日 20時
