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カリエスにとっては気にならないんだ。私はもう気にしなくていいですむ問題じゃない…気になってしまうのだ、彼との距離が。【幼馴染】以上を考えてしまった日からずっと気になっていた。カリエスにとって私は【幼馴染】でも、私にとっては【初恋の相手】であり、【片思い中の相手】なのだ。
このままでは今後決まる彼の婚約者に対して自分は嫉妬心を抱くに決まっている…。母と同じレディースメイドとして働くのが夢なのに、最も支えないといけないカリエスの奥様のことを妬ましく思いながら過ごすなんて嫌なのだ。
やはりこのままではダメだ。けじめをつけなければ…。
そう決心した時、ヒュ〜ドドドド！とクライマックスを告げる花火が連続して打ち上がり始めた。
『すげー』と花火を見つめるカリエス。
私はスッと顔を上げ、カリエスの正面に向き直る。
A 「…好きよ。昔から大好き。きっとこれからも変わらない」
カリエス 「え？ごめん、花火の音で上手く聞き取れない」
小さな告白は花火の音にかき消され、カリエスには届かない。しかし私にはその方が都合が良かった。
目の前の彼は聞き逃した言葉をしっかり聞きとろうと身体を傾け、耳を近づけた。目の前に迫るカリエスの横顔を見て胸が苦しくなる。
この距離で見る彼が心の底から愛おしい…そんな気持ちから体が勝手に動く。
チュっ
私は目の前にあったカリエスの頬に優しくキスをした。
カリエスは驚いて反射的に身を引き、キスされた頬を手でおさえる。目を大きく見開き、心なしか頬が赤くなっている。
まるで乙女のようなウブな反応に嬉しくなり思わず笑みが溢れる。
A 「うふふふ」
カリエス 「びっくりしたな！ちょっと、笑いすぎ…。ていうか、なんて言ってたのか聞こえなかった」
まだ続く花火の中、大きな声で問いかけてくる質問は笑ってはぐらかした。
A 「じゃあ、私はもう戻ります」
カリエス 「え？話の途中だろ？」
A 「おやすみなさい」
私はカリエスを庭に残して歩き始めた。ズンズン扉に向かって進む私にカリエスは大きな声で呼びかけた。
カリエス 「おやすみ！また明日」
振り返るとニッコリと笑ったカリエスが手を振っていた。
A 「バイバイ…」
私は胸の横で小さく手を振ると、そこからは振り向く事なく自室に戻るのだった。
続く
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べーだい＊メガネ(プロフ) - Da.Liさん» ありがとうございます(TT)本当に嬉しいです！頑張ります♪ (2022年11月7日 23時) (
レス) id: 5d75e3e900 (このIDを非表示/違反報告)
Da.Li(プロフ) - 更新ありがとうございます！とても素敵な話で楽しませてもらっています！これからも楽しみにしています！ (2022年11月7日 9時) (レス) @page32 id: 5f9bb70e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べーだい＊メガネ | 作成日時：2020年10月20日 20時
