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丘に到着するとかなりの人が列を成して頂上に向かって歩いていた。麓には【星探しの儀式】の本部となるテントが張られており、そこで火の種を分けてもらう。
私たち3人もテントで火の種を受け取り、丘を上へと登って行く。
丘の入り口自体は凄い人だかりで混んでいたものの、奥の方まで進むと人がバラけて余裕があった。
こんなに人がいれば王子がいると気づかれそうだが、明かりがなく暗いのと、恋人同士はそれぞれのパートナーしか視界に入っていないようで騒ぎになる事もなく祭りの参加者として紛れ混めていた。
リトールは本来の目的である護衛の役目を果たす為、少しだけ仕事モードに切り替わる。
リトール 「ここまでくれば大丈夫そうですね〜」
A 「そうですね」
カリエス 「あぁ。それにしてもカップルが多いな」
周りを見渡すと、2つの影があちこちに並んで見えた。中には地面にねっ転がり星空を眺めているカップルもいる。
A 「いいなぁ…」
無意識にぼそっと呟いた一言は、カリエスとリトールの耳にしっかり届いていた。
楽しそうな笑い声を上げているカップルをぼーっと眺めているAを、リトールはそっと見守っていた。
カリエスはAの横顔をじっと見つめ、その言葉を実現してやれない自分に少しだけ苛つきを覚えていた。
A 「あ、そろそろ時間ですかね?」
カリエス 「っあぁ、そうだな」
私がが振り返ったことで冷静さを取り戻したカリエスは周りの人達に目を配った。
周りがランタンを手元に準備しているのを確認し、時刻が迫っているのを理解する。
リトール 「俺たちもこのランタンを灯してみましょうか」
カリエス 「そうだな」
おばあさんからもらったランタンにそれぞれ灯りを灯す。
3つともかなり細かいデザインがされていたのだが、ぼんやりとオレンジ色に光るランタンはその繊細な模様を象徴するかの様に浮き上がって見えた。
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べーだい*メガネ(プロフ) - Da.Liさん» ありがとうございます(TT)本当に嬉しいです!頑張ります♪ (2022年11月7日 23時) (レス) id: 5d75e3e900 (このIDを非表示/違反報告)
Da.Li(プロフ) - 更新ありがとうございます!とても素敵な話で楽しませてもらっています!これからも楽しみにしています! (2022年11月7日 9時) (レス) @page32 id: 5f9bb70e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーだい*メガネ | 作成日時:2020年10月20日 20時