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カリエス 「かなり手の込んだ作品ですけど、本当にいただいてもよろしいのですか?」
おばあさん 「いいんだよ!あんたたちもさっき見ただろう。この家の中にはまだまだランタンが沢山あるんだよ。少しでも減った方が、家が片付くってもんさ!」
リトール 「そう言う事なら、有り難くいただきます」
A 「ありがとうございます」
カリエス 「ありがとうございます。今夜、使わせていただきます」
おばあさんと雑談しているうちに外はすっかり暗くなり、私たちは貰ったランタンを手におばあさんの家を出発する時間になった。
カリエス 「そろそろお暇させていただきます」
リトール 「そうだな。おばあさん、お茶ご馳走様でした。ランタンもありがとうございます」
おばあさん 「丘は凄い人だろうから、バラバラにならないように気をつけな。あんまり羽目を外し過ぎて、馬鹿をするんじゃないよ」
A 「はい。ご忠告ありがとうございます」
おばあさんから貰ったランタンを手に家を出る時、おばあさんがAを呼び止めた。
おばあさん 「ちょっと、お嬢さん」
A 「…?はい」
小さな声で呼び止められ振り返ると、真剣な表情をしたおばあさんが手招きをした。Aがそっと近づくと、おばあさんがAの両肩を掴み真っ正面から顔を覗いて語り始める。
おばあさん 「自分の気持ちに正直になりなさい」
A 「え…」
おばあさん 「あんたが選択した答えがどんなものか分からないが、自分を偽り過ぎたら心が壊れてくよ…」
A 「…」
おばあさん 「素直になりな。このランタンは今夜、お前さんの決意を天に届けるためのものだ。後悔しないように、自分のために今を生きなさい」
A 「おばあさん…」
Aはおばあさんの言葉に心が震え、思わず抱きついていた。先程出会ったばかりなのに自分の心の中を見透かされていて恥ずかしい気もしたが、それ以上に今日の星祭りに込めた想いを理解してくれたのが嬉しかったのだ。
A 「…っ、今日が素敵な思い出になるように、最後まで楽しんできます!」
涙が溢れるのを我慢しながらニコッと笑ってみせると、おばあさんがAの鼻をつまみ『頑張な』とエールを送ってくれた。
先に家を出ていた2人に合流し、最後におばあさんに挨拶をして【星探しの儀式】の会場となる丘へと3人並んで歩き始めた。
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べーだい*メガネ(プロフ) - Da.Liさん» ありがとうございます(TT)本当に嬉しいです!頑張ります♪ (2022年11月7日 23時) (レス) id: 5d75e3e900 (このIDを非表示/違反報告)
Da.Li(プロフ) - 更新ありがとうございます!とても素敵な話で楽しませてもらっています!これからも楽しみにしています! (2022年11月7日 9時) (レス) @page32 id: 5f9bb70e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーだい*メガネ | 作成日時:2020年10月20日 20時