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光 「今回呼び出したのは、Aのことを本に書かせてもらおうと思って」
改めてそう切り出され、無意識に肩に力が入った。
先日突然送られてきたメール。それは、私のことを本で出版したいという話だった。
ライトノベル系の作家さんということはもちろん知っていたが、正直光さんが出版された本を読む機会がなかった。しかし、女装をしてまで近づき取材をしていることから、まぁまぁ危険なことをしているのだと以前要さんが教えてくれた。
だから慎重に対応しないと、後で痛い目に合うような予感がした。
光 「つまり、Aが元の世界でどんなことをしてたのか。今はどんなことを考えて生活しているのか…Aの気持ちを語ってほしい」
A 「取材に関して事務所が大丈夫ならいいですけど。でも、本の世界に迷い込んだとか言えないし、頭おかしいって思われますよね?だから難しいんじゃ…」
光 「それはそうなんだけど。まぁそこは俺が上手く書けばいい話だから。そこらへんはちゃんとやりますよ〜」
そう呑気に返してくる彼に不安が募る。
これまで裏切られた事もなければ、兄弟の中でも近い距離で接してくれる光さんを本気で疑ったりしていないが、楽しそうに笑う姿に心がざわつきは収まらなかった。
早速始まった取材は淡々と進行していった。
さすがと言えばいいのだろうか。
沢山の人を取材してきた光さんのトーク術は巧みで、すごく話しやすい質問や言葉のチョイスによって無意識に話している自分がいた。
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春妃(プロフ) - こんなに面白い作品は久しぶりです!気づいたら一気読みしてしまいました!更新を楽しみにしてますが無理はせずに頑張ってください(* ´ ▽ ` *)応援してます! (2019年10月14日 6時) (レス) id: 37086665c7 (このIDを非表示/違反報告)
かちゅ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年5月25日 13時) (レス) id: b0ebd2074b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーだい*メガネ | 作成日時:2019年5月16日 11時