新しい道が開くとき5【BROTHERS CONFLICT】【フォルティッシモ 】

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昨日は特にメディアによる撮影などがなかったのだが、観劇していたお客さんがSNSで感想などを書き込み、それがどんどん大きくなりバラエティ色が強いニュース番組でも取り上げられているのだ。



琉生 「風斗くんとAちゃん、すごいニュースになってる」

絵麻 「私はSNSで昨日の感想が回ってきました！すごい迫力で感動したって、色んな人が書き込んでたなぁ」

A 「それはとても嬉しいですけど……でもこんなにニュースになる事なんですか？」


リビングに向かうとソファーでまったりとしていたお2人に声をかけられ、私も大きなテレビ画面を見つめながらソファーの端に腰かけた。


琉生 「僕、時間があったらもう一回行きたかった…」

絵麻 「私もです！ゼミとインターンシップが無ければ行けたのに〜〜」

A 「あはははは……」


正直、自分が舞台に立っているとお客さんからどういう風に見えているのかが分からない。
特に昨日の千秋楽については、記憶が曖昧としている部分があるので騒がれていても『そんな事してたっけ？』といまいちピンときていなかった。


コメンテーター 『1ヶ月公演されてきたこの作品ですが、公演回数を重ねるごとに迫力と世界観が進化していて素晴らしかったですね。同じ作品なのにここまでも変わるのかと思いました』

ニュースキャスター 『私も取材の為に観劇させていただきましたが、あっという間に世界に引き込まれて最後は号泣でした。特に主役を演じられてたお2人がまた…』

コメンテーター 『そうなんですよ！これまで数々の舞台を経験してきた朝倉風斗くんなんですが、堂々としたところは変わらず、しかし青年のあどけなさが滲み出ていて新鮮でしたね〜。そして今回ミュージカル初挑戦の佐倉Aさん。彼女はまだ目立った活躍は多くないですが、コロコロと表情が変わって純粋なジュリエットそのものでした』



テレビから聞こえてくる褒め言葉に、全身がむず痒くなった。

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