検索窓
今日:4 hit、昨日:54 hit、合計:45,739 hit

186 ページ2

月城 「何かやらかしたのか?」


先程までとは一変し、仕事に厳しい時の顔をした月城さんを見て、藤咲さんが少し怯んだのが分かった。


藤咲 「何もやらかしていません!forttêの今後の活動のことでご相談が…」

A 「えっと、私向こうで待ってましょうか?」


言い出しにくそうな雰囲気に席を外そうとすると『Aちゃんもここにいて!』と勢いよく止められてしまった。
月城さんは私と目を合わせるとコクリと頷き、私にここに留まるようアイコンタクトした。


藤咲 「この前の【LOVE☆forttê】の撮影の時にプロデューサーさんから新しい企画を始めたいという提案を受けました。……」


そのプロデューサーさん曰く、最近ひとりひとりの活動の幅が広がっているforttêは演技派、モデル、音楽にバラエティ担当と個性がありファンも着実に増えているそうだ。

特にドラマや舞台には、今後6人とも出演する機会が増えるだろうと考えているらしく、今までメンバー同士でやっていた【シチュエーション】のコーナーをもう少し本格的に、ミニドラマのように撮影したいという提案だった。


女性の視聴者が多いので、これまでのようなメンバー同士で彼女役を演じあうのもワイワイしていて良いのだが、ちゃんとした撮影を行うことで本人たちの経験にも繋がるだろうという。


藤咲 「そこで、その相手役をAちゃんが担当してくれないか、と……」


まさかの展開に『え?』と戸惑いの声が漏れてしまった。
月城さんもまた難しい顔をして黙り込んでしまった。


藤咲「一度持ち帰らせてくださいと言ったので、こちらの回答待ちという感じです…」

月城 「急ぎでなければ、少し返事を待つように伝えておいてくれ。……あと、話は変わるが藤咲にお願いがある」

藤咲 「はい、なんでしょうか?」

月城 「Aに大学の話をしてやってくれ」


まさかの提案に私も藤咲さんも目を見開いて顔を見合わせた。
『涼にも話を聞くと参考になるんじゃないか?』と続けた月城さんは会議の時間だからと席を立った。

残された私たちは月城さんの後ろ姿を黙って見送った。


A 「…月城さんって優しいですけど不器用ですよね」

藤咲 「私、未だに掴めないです(苦笑)」


先程までの重かった空気はなくなり、今度は穏やかな雰囲気で藤咲さんにも進路について相談した。

187→←設定の確認



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

春妃(プロフ) - こんなに面白い作品は久しぶりです!気づいたら一気読みしてしまいました!更新を楽しみにしてますが無理はせずに頑張ってください(* ´ ▽ ` *)応援してます! (2019年10月14日 6時) (レス) id: 37086665c7 (このIDを非表示/違反報告)
かちゅ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年5月25日 13時) (レス) id: b0ebd2074b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:べーだい*メガネ | 作成日時:2019年5月16日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。