新しい道が開くとき【BROTHERS CONFLICT】【フォルティッシモ】 (ページ23)

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その後、何度も近くの建物や道を散策してみたが自分のマンションが見当たらない。
何時間も歩いて、近所に住んでいるはずのお友達の家も探してみたり……とにかく色々してみたが、何一つ手がかりがなかった。

つまりだ…

私は『BROTHERS CONFLICT』の世界に来てしまったようで、その世界には自宅がありません。家なき子になりました。

気づいたらいい時間になっていて、このまま夜になってしまったら寒空の中、野宿することになる。
一晩なら頑張れるが、いつこの世界から私の暮らしていた元の世界に戻れるのか分からない今、私が頼れるのはあそこしかない。

私は重い足取りで最寄駅に戻り、吉祥寺駅へと向かった。

[吉祥寺駅]

戻って来てしまった。無事戻って来れたのはいいのだが、結局これからどうすればいい？？
残っていたお金もここに来るまでに使ってしまい、一文無しになってしまった。

どうもこうも頼れるのはやはり朝日奈家しかないのだが、どう説明すればいい？？どうすれば私を受け入れてもらえるだろうか……

頭の中で必死に解決策を考えても何も思い浮かばなかった。

私は右京さんから貰ったメモを取り出し、公衆電話を探した。

A 「(まずはあの人に連絡してみるしかない)」

スクバの中を漁る。私はポケットの底の方にあったテレフォンカードを取り出し、緊張しながらも番号を押し始める。

？？「もしもし」

電話に応えてくれたその優しい声に、少しだけ涙が溢れそうになった。