忍たま三年生、色々辛い (ページ11)

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三年生ページ11

「橈先輩～」
「…最近くの一の子達によく話しかけられてるね」
移動している時にくの一の子に手を振りかえしたら孫兵に不審な目で見られた
「…よく相談されるんだよ、どちらが似合うとか」
「ふーん、Aは気になるの？」
「なにが？」
孫兵に意味のわからない質問をされた
「くの一で気になる人」
「…えー、いや、無いよ、そんな」
隣の孫兵を見れば、若干頬に赤みがある
「…なんで緊張してんの？」
軽く流そうと思っていたのに、孫兵から緊張が伝わる

「……くの一じゃないけど気になる存在はいるさ
　…そりゃあね」
心臓がドクドクと早くなって、手が熱い
孫兵を見ずに、隣を歩く
「…僕のジュンコへの愛には敵わないよ」
「……比べるものの基準が桁違いだ」
「そういえば、この前森でリスを見かけたんだ」
気を使ったのか、すぐに話を変えてくれた
僕もなるべく普通に、いつもと同じように相槌をうった

「気になる人がいるんだって？」
一緒の当番だった、久々知先輩に言われ目を合わせる
「まわるの早いですね」
「忍びだからね」
楽しそうに笑う久々知先輩から離れる
「確かに、忍術学園ですし」
「まぁね、頑張れよA」
「久々知先輩、ニヤニヤしすぎです」
去り際に頭を撫でられたが、恥ずかしくて逃げて
体を落ち着かせるために、
校舎から離れた木の日陰のところに腰を下ろす
この調子じゃ、2日後ぐらいには知れ渡っているし
過去の自分を恨む
こういうときは、寝ることに限る
僕は横になり、目を閉じた

‘「Aは私より女の子みたい」’
‘「それ、うれしくない」’
‘「そーいうとこだよ!」’
その子が笑うと僕も笑っていた
君が笑ってると僕も笑えるんだ

‘「久しぶりだね～」’
‘「…そうだね、僕よりも全然高くなってる」’
‘「それはこれからでしょ？気にしないの」’
‘「…そうだといいな」’
今は君が笑ってもうまく笑えない

‘「ほら、腕の筋肉なんか、全然違うじゃん‼」’
僕の腕と比べてみると確かに僕の腕の方が太い
手だって、僕の方が一回り大きい

でもなんか嫌なんだ
今の僕のままで
君の隣に立つことも嫌だと感じるのは何故？