二十三度 ページ25
「Aは今日は
ここおって、俺寂しいねんけど」
ご飯を食べていると空いてる手を
坂田に捕まれ、恋人繋ぎをさせられた
「いいよ」
「最近、なるせのところ行くから嫌やった」
そう言って頬を膨らませる坂田は村で見た子供にそっくりで口元を緩めるがすぐに元に戻る
「だって、センラさんと紫の悪魔さん
苦手だから」
「え、そうなん⁉え〜でも、まーしぃ、いつもあんなに怒りっぽくないねんで？どちらかいうたら笑ってる方やねん」
紫の悪魔さんの良いところを言っているが
何一つわからないので食事を取る手を止めない
私が食べ終わり
挨拶をすると坂田は食器を洗う
「まーええわ、今は俺に構っといて」
「構っといてって、気づいたら寝るじゃん」
私をソファまで運んで、膝に頭を乗せてきた
私が文句を言うと、坂田は私の頭を撫でる
「今やから言えるんやけど、俺悪魔やんか？
悪魔ってな、別に睡眠なくても生きていける
んよ、やけどAのそばにあったら眠な
る、つまり人間っぽくなるんやわ、それな」
つい癖で頭を撫でて聞いてるとそこで言葉は止まり、気持ち良さげに寝ていた
…本ぐらい持っておけば良かったな
「ガチで寝てるやん」
「うわ」
急にセンラさんが目の前にいて驚くと驚かした本人は楽しそうに笑っていた
「今やったら坂田が邪魔やなぁ」
ニコニコしてるが目が冷めているセンラさんに
私は首を傾げた
「何か私に用事があったんですか？」
「んー、用事ちゃあ用事やね」
いつもズバッと言っているセンラさん
今日は何か歯切れが悪い
「やっぱ、ええわ」
センラさんは私の左頬を摘み、軽く伸ばすと姿を消した
用事の要件もわからなかったし
なんだったんだろうか
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作者名：名無し | 作成日時：2020年6月4日 20時
