乙女ゲームのヒロイン (ページ9)

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乙女ゲーム9 ページ9

再度詳しく聞くとあの不健康そうな人がとったらしい
「まあ、俺も取られたやつの一人なんだけどね」
先輩さんの顔は見えないが背中が哀愁に満ちている

「その彼女さんが他の人に誘われて乗った時点で
　彼氏という先輩を大事にしない人なんで
　次はこれを活かしましょう、大丈夫ですよ」
「…結構アピールして付き合ったんだけど」
恨めしい目で見られるが関係ない

「別によりを戻したいならばそれでいいんです
　行く道は前途多難で本当に山あり谷ありなので
　頑張ってください」
「ファイズ先輩、女子がこう言うんです
　ちなみにその道に行くならアドバイスあるの？」
「えーと、周りのお友達を大切にされると
　報告、連絡、相談、もしもの証拠写真なんかも
　集めやすいかと」
「ファイズ先輩、やめといてください」
ムーノルトくんも首を横に振った

「でもな、運悪く今年は同じクラスなんだよ」
「先輩、そんな時こそ優しくするんです
　許せない気持ちとか、会いたくない気持ちとかあると
　思いますけどそこを、先輩が譲るんです
　相手に譲ってあげるんですよ、
　そうすれば頼み事とかされても断る権利があるんで」
「でもそれってさ、結構自己中心的じゃない？」
「なんでさ、ムーノルトくん
　先輩は浮気されてたんだよ？別にするしないは自由
　でもするんなら自分も傷つくつもりでしなきゃ
　人の心に傷作っといて自分無傷なんてそれこそ
　虫のいい性格じゃない？」