無題(タイトル募集) (ページ11)

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🚁緋山side ページ11

当直の隙間時間を利用して、私はまたAの病室を訪れた。

白石から毎日辛そうだと聞いていたが、思った以上に辛いようで
すっかりやつれてしまっている。

脈をとろうと腕に手をかけた時だった。

熱い……。それも感染を疑うレベルで。

pr pr pr

緋山「もしもし冴島？体温計と血液培養セット持ってAの部屋に来て。」
冴島「了解です。」

冴島を待っている間に瀬戸先生にも電話をかけたが瀬戸先生は出ず、代わりに出た看護師によると急変した患者の緊急オペに入っているらしい。新堂先生もだ。

今夜は急変が多いらしく、看護師の橋口さんも「瀬戸先生からの伝言で、全て任せます。」と言ったきり、走っていった。

冴島「緋山先生、おまたせしました。」
緋山「A、ごめんね。針刺すね。」

目は開いているが朦朧としているのか反応のないAに声をかけ、培養のための血液をとる。

冴島が反対の腕の脇に入れた体温計が音を立てる。

冴島「39.5です。」
緋山「思った以上に高いな……。」
冴島「Aちゃん、今寒いかな？」

微かにAが首を振った。

緋山「アイスノンを首元に入れよう。」
冴島「とってきます。」

感染も疑われるため、むやみに薬を使えない。
アイスノンを入れると、幾分か表情が和らいだ。

培養の結果、感染はなく抗がん剤の副作用だった。