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ナイツオブクイーンに先制されたまま前半が終了しみんなが戻ってくる
守に伝えるために声をかけようとするも古タイヤのおじいさんと話していて、影からそっと様子を見守る
「止められないなら、止めなければ良いのかもしれないな」
それだけ言っておじいさんは戻ってしまう
あのおじいさん、一体何者なの？
「止められないなら、止めなければ良い……」
そう呟く守にミーティングが始まると声をかける
「あ、そうだ。ゴールってさ、ボールがゴールラインを割らなければ得点にならいよね？」
なんて聞いてみれば「当たり前だろ、何言ってんだよ」とキョトンとする守
そりゃあそうだ、サッカーやってる人なら誰だって知ってる常識だもの
「だったら無理に止めなくてもいいんじゃない？」
そう言ってミーティングルームに向かって歩き出すと守も待てよ、と言いながらついてくる
「どういうことだよ？」
「それは自分で見つけなよ、守だったらわかるはず」
意味わかんないよ、と呟いている彼を無視してミーティングルームに入る
サッカーのルールなんて単純だ
ゴールラインをボールが通れば1点入る、だけどそれは裏を返せばゴールラインさえ割らなければ得点にならないということなんだ
「これ以上の失点は許されない。後半はボールをキープして常に動かし続けろ。
鬼道、お前がコントロールするんだ。
そしてもう一人、不動。後半はお前たち二人が司令塔だ」
道也がそう指示を出す
同時にピッチにいる意味を理解して行動しろ、かぁ……
ピッチ上で相手を見ていた有人と、ピッチの外から見ていた明王ちゃんのダブル司令塔か
「林音、まだ見つけられないか」
ふとこちらを見てきた道也の問いかけに頷く
みんなは何の話だと少しざわついているが、そんなのお構い無しに言葉を続ける
「お前がそこまで鈍いとは思ってもいなかった。ヒントをやろう」
いやいや、鈍いって何ですか、そんな就活生みたいな自己分析してないのよこっちは
ゴクリと生唾を飲んで次の言葉を待つ
「お前以外の奴が握っている」
「いやいや！どういうことですか！？」
なんのヒントにもなっていないのですが！？
どうして私たちの監督になる大人は言葉数が足りないのよ！
「そのままの意味だ。もっと客観的に周りを見るんだな」
そうすれば自ずと答えは出るはずだと言ってちょうど時間がやってくる
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作者名：よっしー | 作成日時：2023年12月22日 8時
