はちじゅうに ページ37
「えー……そろそろ夏休みも近いが。
もちろん君らが30日間、1ヶ月休める道理はない。
夏休み、林間合宿やるぞ」
相澤先生の一言で、クラスがわいわいし始める
肝試しだの花火だの風呂だの……
いや、風呂ってなんだ風呂って
かく言う私もその林間合宿というワードに内心ワクワクしていた
「ただし。
その前の期末テストで合格点に満たなかった奴は……
学校で補習地獄だ」
その相澤先生の言葉から時は流れ、6月最終週
テストまで一週間を切りクラスのみんなは勉強に励んでいた
「なぁ……A。
兄ちゃんに勉強を教えてくれ」
「勉強はできるバカなんじゃないの？」
お昼を食堂で食べていると急に化威斗に絡まれる
勉強はできるが言動がバカ、それが俺、とか意味のわからないことを自分で言って格好つけてるくせに今更何を言ってんだ
「実技はなんとかなるんだけどさ、座学よ問題は。
どうしても、三角関数がわかんねぇんだよ！！」
だから頼むっ！！とひたすらに拝んでくる
三角関数なんて序の口じゃないの
「私のオススメの問題集教えてあげるから、それ解きなよ。
てか単位円書けばすべて解決」
「Aって俺に冷たいよね……。
実技の内容教えてやるからさ、どうよ？」
どうよも何も、去年のこの時期に期末の実技はロボだったからめっちゃ楽勝だった〜とか言っていたのを私は覚えているぞ
「じゃあ、相澤てぃーの去年の過去問あげるからさー教えて？」
「化威斗、バカにしてるの？
私、全国模試一位の入試試験ノーミスの今まで受けたテストで間違ったことない天才児なんだけど」
テストで間違えたことはない
その前の小テストは間違えたりするが、そこは自分の弱い部分
そこだけ集中して取り組めば、結果としては満点なんて軽い
「もうやだ、この子……」
「焼肉とかでいいよ」
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作者名：よっしー | 作成日時：2018年3月19日 13時
