ななじゅうご ページ30
「さてと、とりあえず座れ」
仮眠室に着き、先生の指示通り椅子に腰を掛ける
いや、本当に何か悪いことをした記憶が無いのですけれども……
「説教じゃないぞ。それなら職員室で充分だ」
「確かに考えてみればそうですね。ではなぜここに？」
なかなか話を切り出そうとしない先生にそう訪ねる
すると、息を吐き出し言葉を発する
「希望体験先は"ファットガム事務所"か」
その言葉に、コクリと頷く
ファットガムは無認可の薬の捌きに詳しい武闘派ヒーローだ
薬系も武闘関係も捨て難く思っていたため、どちらにも詳しそうなファットガムの事務所を選んだ
「そうか。色々吸収してこいよ。
さて、本題だが……―――――」
えぇ……余談だったの今の
ちょっとビビったじゃんか！
「どうして"個性"を最低限しか使わない？」
「それ、聞いちゃいます？
私、個性なくても強いので。
それに、私の個性は戦闘向きじゃない。どちらかと言えば災害救助の方が向いていると思います。
だから必然的に体育祭での使用回数が減っただけです」
戦闘向きじゃないのは事実だが、少し違う
上手く使えば戦闘だって可能だ
今回の体育祭で使ったようにすれば……
「合理的じゃないな」
「先生、合理的主義者なんだろうけど、完全じゃないよね。
だって……―――――
合理性を求めるなら、自分の命を危険に晒してまで他人の命を守るなんて不合理の極みしないでしょ？
結局、先生はヒーローっていう道を選んだ時点で、合理的じゃないよ」
それじゃ、と言って仮眠室から出る
相澤先生が何を考えて私にあの質問をしたのか、真意も知らないで
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作者名：よっしー | 作成日時：2018年3月19日 13時
