ベビーブルーとブルーベリー (×In)

愛が壊れた(Ar) ページ4

side:K.I

俺の幼馴染は、ひどくモテる。
そして俺の幼馴染は、学園のマドンナで、彼の幼馴染、つまり俺の幼馴染でもある子のことが好きだった。


諦めなんてせず、ひたすら女の子の告白を断ってマドンナにアタックし続けた大ちゃんは、晴れて付き合うことができた。


一見したら、幸せなお話。
モテ男と学園のマドンナが結ばれる、少女漫画みたいな。
けど俺からしてみれば、全然幸せじゃない話。


「いのちゃーん！」

「ん〜？」


俺は、愛おしくて苦しいこの気持ちを、大ちゃんに伝えないまま。
だって、迷惑じゃん。
ただ友達として好きな同性に、実はそういう感情であなたのことが好きでしたって言われても。


「彼女と初体験を済ませるにはどうしたらいいですか！」


なんでも相談してくる大ちゃんだから、絶対にこういった話もするだろうって思ってた。


「……いい雰囲気に持ち込むしかないんじゃないの〜？」


放課後、少し傾いた日が教室に差し込んでいる。
俺の気持ちとは正反対、とても綺麗だった。


「もう、テキトーなんだから……」

「わかんねーもん、だって。
俺、彼女いたことないし……」

「っえ！？」

「え……？俺にいると思ってたの……？」

「いやだって、いのちゃんモテるし？女の子のひとりやふたりひっかけたりとか……」

「ありえない。俺一途だしね。
まあ、遊んだことは多少あるかもだけど……」


モテても、好きな人に好いてもらえないと意味がない。
遊んだなんて嘘。遊ぼうと思っても、結局最後まではいかなかった。

いつだって、俺は大ちゃんのことが大好きで。
いつだって、俺の頭の中は大ちゃんのことでいっぱいなんだ。

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